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極極ヒトリゴト

今だからこそあえて「プラットフォーム戦略」。次代を担うベンチャーの共通点とは?

Writer|Taketo.S Writer|Taketo.S
  • 読了目安時間:8分
  • 更新日:2017.6.5

Digital disruptor(創造的破壊者)と既存企業の対峙

古来からモノがモノを駆逐するという産業の移り変わりは存在していました。刀剣で戦を行っていたところに銃火器が用いられ、1900年代の戦争では日本刀は将校の矜持を具現化したものであり、積極的に刀剣でアメリカ軍に向かっていく日本兵はいなかったでしょう。

また、現代に話を移すと、富士フィルムなどがいい例と言えます。富士フィルムと言われて女性であればアスタリフトを想起する人が多いのではないでしょうか?

しかし富士フィルムはその名前の通り、写真フィルムの会社でした。(今も少量生産はしていますが)そこにデジタルカメラが登場し、そしてスマホが普及、そこにデジタルカメラが搭載されたところで完全にフィルムの一般的な需要はお役御免となりました。

ここで言うDigital disruptor(創造的破壊者)とはデジタルカメラの技術です。富士フィルムはそれに対峙したとき、自らが人的、物的なリソースを割いて構築してきたアセットを新しい時代にそぐう形に再配分しました。それが化粧品やデジタルカメラの開発・生産でした。

話をGLMに戻します。

GLMが目指す、パワーユニット(エンジンに相当する部分)とボディの分離、ファブレス(大量生産のための工場を持たない)型という経営戦略は明確に既存企業と対峙すると言えます。

自動車製造業を営む大企業は、多くの参入障壁をつくり新たな競合が生まれないように対処してきました。具体的に言うと、工場の数、従業員数、生産数、販売網、関連ビジネスへのドメイン拡大などが挙げられます。

プリウスがたった300万円で購入出来るのは、大量に販売しているからです。大量に販売するには大量生産が必要で、それを実現するには生産能力が必要で、それらは工場の規模と人員に依存しています。

こういった甚大なアセットでしか実現出来ない参入障壁を作ることで、プリウスの競合車が日産や三菱以外から出てこないようにしているのです。

しかし、GLMは明確にそのアセットを無効化する力を秘めています。もちろん現状でいうと、自動車製造をしている大企業は規模が考えられないほど大きく、わずかなインパクトしかない技術革新などでひっくり返ることはありません。

ただしここに、EVだけではなく、3DプリンターやIoTのDigital disruptorが加わるとどうなるでしょうか。家に居ながら自分のデザインで手軽に車を注文出来たら?そして家に居ながら安心に、迅速に、ブロックチェーンで決済出来るとしたら?

その車はIoTの技術が詰まっており、AIが最適なエネルギー効率をもたらすとしたら?車がモノを考え、Googleのような機能を持ったら?

digital disruptorには概ね三種類あり、マッチング型(Uberなど)・価格破壊型(金融分野において成長すると思われます)・プラットフォーマー(Google、Appleなど)に分けられます。

これからの10年はマッチングと価格破壊という点で新興勢力と既存企業が対峙することになるでしょう。そこで中心にいる企業の共通点は「プラットフォームを獲りに行く」という点です。

プラットフォーム戦略という言葉が使い古された感がありますが、現在の日本はITテクノロジーやそれらを開発する素地が揃い、コストも非常に安価になりました。また、デジタルネイティブ世代がビジネスや経済の中核に進出してきたことで、一気に技術が進み、新たなマーケットが生み出されることになるはずです。

bicyearは働くのミスマッチをゼロにということを標榜していますので、今こそ勢いのあるベンチャー企業がどのマーケットでプラットフォームを獲りに来ているかに着目し、5年後10年後のビジネスで自分が活躍出来る分野という切り口での就職活動を行ってみてはいかがでしょうか?

 

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