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与謝野における地域活性化を目指す「地域住民と一人の若者」

Writer|遠藤 季夏 Writer|遠藤 季夏
  • 読了目安時間:9分
  • 更新日:2017.6.1

学生が、一から地域の「架け橋」を築き続けるということ。

-地域の活性化というと、学生だけではなく、いろいろな方とコミュニケーションを取らないといけないと思うのですが、大変なこともありますよね。

月に一回与謝野町に行って、地域の方とディスカッションする機会があるんです。長時間になるのでお年を召した方だと疲れるみたいで、集中力が持たないとか興味がなくなるという方もおられます。

でも6年間のつながりもありますし、何より夏に一ヶ月滞在するというのは地域の方との接点も多くて、地域の方と活動した後にご飯に連れて行っていただいたり、そういう活動外での接点があるおかげでなんとかうまくいっています。そもそも与謝野町を活性化したいという思いがあって、僕らに共感して来てくださる方もいますし。

学生間のコミュニケーションでいうと、いろいろな分野の学生がいるので、何を言っているのかが伝わらないこともしばしばあります。難しいことではありますが、これは逆にいいことで「そんな意見あったんや!」というような新たな気づきも多いですし、得られる部分の方が多いですね。

-地域活性化事業ってここ数年ですごく増えましたよね。ただ、色々な要因があってなかなかうまくいかないことも多いと聞きますが、実際どうなんでしょう。

「結局お前らは何をやっているのかはわからへん」という声は確かにあります。代表をやらせていただいている身としては、そこは変えていきたいです。基本的には好意的に受け入れてくれる人が多いですが、区と区の間ではあまり交流がなかったり、未だに隣組制度が残っているので、組によって考え方が違っていたりとかするんです。拠点にしている古民家にも、それが建っている区の隣の区の方々はなかなかいらっしゃらないという問題もあります。

だからこそ、僕たちがその垣根を越える橋を渡したい。僕たちの活動に興味があるという気持ちが、違う区に行くのをためらう気持ちを超えてくれたらいいです。

-その古民家をゲストハウス化して宿泊客を呼ぶとなると、実際に企業に似た形で運営が行われることになるかと思うのですが、そのあたりは企業に任せていくのですか?

Xキャンプは「学生」ができることを目指しているので、全部のプロジェクトが学生中心になって運営していくのが原則です。プロジェクトの進み具合はメンバーの気合にもよりますし、どれだけ情熱を注げるかが大きなキーになります。学生だからこそ地域の方も話を聞いてくれるという面もありますし、そこに関してはわがままを言わせてもらっています(笑)

「ゲストハウス」に関して言うと、一般的な「客」を受け入れるというまでにはまだまだハードルがあるので、全国の学生を呼べるようなゲストハウスから始めたいですね。

-活動していく中で、やりがいを感じたりするのはどんな時ですか?

一番ゾクゾクっとするのは、自分が二週間くらいかけて考えた案が総会で「全然だめ」ってNOを言われる時ですね。特に燃えてきます。僕たち学生は夢は語れても現実は語れないので、地域の方から現実を言われて気づいたり、違う分野の学生に何かを言われて気づきを得たり。

-京都Xキャンプ与謝野としての活動の目標は。

Xキャンプとしては、20年続けていくことが目標としてあります。継続が力になる、と。今年で6年目になるXキャンプには、沢山のOBOGがいらっしゃって、先輩方にもキャンプに顔を出してもらったり、一緒に活動したりしています。学生主体のキャンプなんですが、実は継続の意味はOBOGになった時に地域に力を注げる体制を作ることなんです。その中で僕らが大切にしたいのは、なぜ与謝野町でやるのか、学生は学んでいるか、地域と繋がりがあるかというところです。

地域貢献というと一般的には草刈りをしたり海岸清掃をしたりしますが、Xキャンプでは「学ぶ」ということにフォーカスすることで与謝野に対する興味や関心を膨らませてもらって、プロジェクト外でも与謝野に行きたいと思ってほしい、というのが代表の僕としての思いです。

-岡本さん個人として、与謝野町でやる理由って何なんでしょう。

“鳴滝の森ひろば”に惚れ込んだんです。鳴滝の森ひろばは僕が入る前年度まではずっと活動が続いていた場所だったのに、継続してプロジェクトを行なう後継者がいらっしゃらなくて、せっかく整備したのにもったいないという気持ちが生まれたのが最初のきっかけでした。そして地域の方と話しているうちに、与謝野町のことも好きになりました。


>> 次頁「世代を超えるという夢。」

 

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