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座談会を通して見る、あなたの知らないリアルな熊野寮【後編】

Writer|島谷 あかり Writer|島谷 あかり
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2017.12.14

寮から卒業した、広がる未来の先は。

-では最後の質問になりますが、みなさんは寮を出て、将来何をしていたいかを教えてください。

久保田 僕は来年4月から物流システムの開発などをしているベンチャー企業で働くことが決まっていて、当面は研究室での経験を活かして倉庫の中を自律走行するロボットの開発に関わる予定です。

学部から土木系の専攻で都市計画や交通施策にも関心が高いので、将来的には自動運転技術なども活用して、まちの活性化につながるサービスの提供にも貢献できればと考えています。

あとは、寮に長く住んでいると、その人の一部の面ばかりが強調されて評価されていない人や、その人の良さが活かされていないだけでなく潰されてしまっているなと感じる人も見てきたので、どんな職場であっても、周りの人も最大限能力を発揮できるように常に意識して行動できればと思います。

笠井 私はできるだけ長く、大学というアカデミックな環境に身を置きたいと考えています。何にも妨げられない環境での研究って今しかできないことじゃないですか。

私も地球工で土木を専攻しているので、その関連の仕事をしたいです。まだ本格的に始まっていないので適正は分かりませんが、もし研究が得意だったらドクターも考えると思います。とりあえず院は行きますね。社会では今から何十年も生きていけるので、焦って外に出たくないと思っています。

長谷川 今僕は休学中ですが、今後のこともノープランです。まだ時間があるかなと思っています。

中条 ゆっくりしたらいいって教官にも言われてたしね。僕は、今やっている研究分野で博士まで残りたいと思っています。

笠井 それ今決め切れるのすごい。

中条 興味があって京大に来ているからね。今僕が興味があるのは言語起源・進化っていう分野で、人間がどのように言語能力を獲得したのかを、いわゆる文系の言語学だけではなくて、生物学、とりわけ脳神経科学や遺伝学の観点も交えて探っていく学際的な領域になります。

言語の進化を生物学的に考えるときには、脳進化、遺伝子進化、他の生物種との連続性比較、の知見も必要になります。

僕は現在言語学の勉強をしていますが、言語学はこの学問分野では人間言語がどういうものかというモデル作りをするのが仕事です。もしかすると、この分野は海外の研究者がリードしているので、博士の時には海外に行っていたりするかもしれません。

しかし研究者への道は簡単なものではありませんから、リスクヘッジの意味で、教職を取るつもりです。

博士課程時の食いぶちとしても使えますし、たとえ研究者になれなかったとしても、僕は元々教育分野に興味があるので、どちらに転んでもいいいかなと。そのときは、大学教育の施策部分に関する仕事ができていたらいいですね。

-そうなんですね。各々すごく素敵な将来像だと思いました。皆さん今日はありがとうございました。

最後に

興味本位で熊野寮に住み始めた筆者ですが、予想以上に魅力的な場所だったことに驚きました。共同生活ではある程度関係性を継続していく必要があるので、自然と対人能力が養われます。今まで関わったことのないような様々なタイプの人がいて、彼らから刺激を受けます。ちょっと暇な時に食堂に行くと、文系の私が一生知り得なかったであろう研究の話をしてくれる理系の学生がいます。また、自分が困ったときに手を差し伸べてくれる人が近くにいる環境は、この世の中なかなか無いのではないでしょうか。勿論全てが最高というわけではなく我慢すべきこともあります。それでも熊野寮はとても面白い場所だと言えるでしょう。

 

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Writer|島谷 あかり

京都大学法学部3年生。趣味は自転車。骨折のため休止中。治ったら頑張ります。

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