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社会人インタビュー

クレヨンからプラズマへ!?サクラクレパスが京大で進めるプラズマ研究の謎に迫る。

Writer|遠藤 季夏 Writer|遠藤 季夏
  • 読了目安時間:14分
  • 更新日:2018.6.19

「プラズマあるところに、サクラクレパスあり。」という未来へ。

-では、プラズマインジケータの今後の展開について教えていただけますか。

目見田課長 技術的には、今、メタルフリータイプのインジケータを開発中です。プラズマインジケータが主に使われている工程で製造される半導体って、基本的には電気を流して制御していくような製品になります。

この過程で金属分という導体の不純物が入っていると、ICなどの回路に不具合を生じたり、特性変動が起こったり、色々悪さをしてしまうんです。そこで、金属分を一切除いたタイプ、できるだけ金属分を持っていないインジケーターを作ろうとしています。

ただ、これが結構厄介で、金属分を持っていない元素で何を使えるかと言うと、炭素・水素・窒素・酸素の4つくらいしかないんですよね。

これら4つ程の元素で固形物の色材を作っていかなければならないという課題があります。もちろん、そういった組成でできている樹脂もあるにはあるんですが、それらの樹脂の製造に金属を使っていないかと聞くと、皆さん、金属を使っておられるんですね。

というのも、樹脂でもなんでも、製造過程で大きな釜で煮込んだりするわけですが、釜って金属ですよね。もうそこでアウト。仮にそれを使わずにって言っても製品を搬送する際にチューブを通したりするとチューブも金属だからアウト。

本当に金属を除くとなると、どこまでいったらできるんだろうっていう...。このような技術的なハードルがあることはやる前から分かってはいたんですけれど、ここまで凄いかというくらいハードルが高いです。

しかし、これができるとものすごく市場が拡大するのも分かっているんですよね。だから、メタルフリータイプの開発をやり遂げるというのは至上命題です。

-製造工程まで全てメタルフリーにしなければならないというのは気が遠くなりますね。マーケットサイドの今後の展望はいかがでしょうか。

大城課長 マーケットの方は、まずは中国をはじめとした東アジアでの普及を促進していくというところですね。

とりあえずは、半導体デバイスというプラズマの源流になっている分野で。この分野のプラズマの管理はサクラクレパスのプラズマインジケータ、という地位を確立したいと考えています。

それから、他の分野のプラズマ処理、自動車や医療などにも入っていって、プラズマがあるところにはサクラクレパスのプラズマインジケータがある、という世界に早く一歩でも近づきたいです。

-ちなみに、お話出来る範囲で結構なのですが、現段階での競合となる企業はありますか?

大城課長 プラズマインジケータに関しては今の所ないんですけれど、医療関係のインジケータはいっぱいメーカーさんがおられます。

これら競合に対する戦略で言うと、1つは技術面での特許を押さえていくことで、もう1つはブランドの確立ですね。「PLAZMARK®」や「Plasma Indicator ®」、「プラズマ見える化®」という言葉はすでに国内はじめ主要各国で商標登録してあるんですよ。

こういったことを通じてブランドを確立していくと、他の企業が開発しても、プラズマークがあるから今更は入れないという障壁を作っていければと思います。

-参入障壁を高くしようと。

大城課長 そうですね。だから最初から幅広くやっているんですよ。一個一個に絞ると他のところを取られたりして、そうなるとまた戦わないといけなくなりますよね。不毛な戦いはしたくないので、プラズマは全て先に手を打っておこうという戦略です。

-どこかの工程に特化することが多い中、超上流から下流まで全てのプラズマ加工に目をつけられていたのはそういうわけなんですね。

大城課長 そうです。プラズマ加工があるところには、全て弊社のインジケータを入れようと。

-「プラズマあるところにサクラクレパスあり」ということですね。本日はありがとうございました。プラズマインジケータの今後を、楽しみにしております!

 

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