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0コンマ数秒の究極の世界「競技かるた」。その躍進に尽力する京大生の想い。

Writer|土井 祐弥
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2019.1.25

「ちはやふる」から始まった、競技かるたの道。

(映画 「ちはやふる」原作:末次由紀 講談社 より)

-ここからは少しパーソナルな質問なんですが、そもそも細辻さんが連盟の会長になられた経緯をお伺いしてもいいですか?

高校のときからずっと関西でかるたをしていまして、関西のかるた会や大学生の方々と親交があって、その流れで大学に入ってからもかるたを続けていたんです。その関係で、関西地区大学かるた連盟の会長になったという流れですね。

-かなり昔からかるたをやられてたんですね。始められたきっかけとかってありますか?

中学校1年生の時に前年度の『このマンガがすごい!』ランキングに選出されていた「ちはやふる」を読んだんです。それで「へぇーこれ面白いなぁ、競技かるたとかあるんだ」ってなって。

その翌年にタイミングよく国民文化祭が京都で開催されて、そこで競技かるたがあって、見に行ったんです。会場の端の方に競技かるた体験ブースがあったんですけど、とっても色々なお話を伺えて、ちょっとやってみたら面白いなぁって。

その後、京都府かるた協会に連絡して練習するようになったという流れですね。

-そこからずっと競技かるたを続けてこられたと。かるたの魅力って何なのでしょうか?

競技かるたは選手としてやっているとしんどいこともあります。やっぱり、勝てないとかで嫌になっちゃうこともあります。でも、競技かるたやってる人って基本的に優しいんですよ。同じような空気感があって。

あと一つのことにすっごく夢中になるというか、一所懸命にやるっていう人が多いと思うんです。そういう競技かるたに関わる「人」の部分と。

でもやっぱり、札を取ったとき、めちゃくちゃに気持ちいいんですよ。すぱーん!と。相手の下段(自分から1番遠い場所)とかをすぱーん!と取ったりすると、すごい気持ちがいいんです。

-相手からするとかなりイラッとするでしょうね。笑

そうかもしれないです。笑 でも、そういう「札を払った時の気持ちよさ」が競技かるたを続けているモチベーションの根底にあるとは思います。

-個人競技の醍醐味ですよね。でも、それを考えると競技者同士仲良くするって矛盾するというか。言い方が荒っぽいですが、要するに敵なわけじゃないですか。特殊ですよね。

その特殊性が生まれるのは、競技かるたがプロのないマイナー競技であることが理由の一つだと思います。色んな各地の全国大会に行っても必ず会う人がいるんです。「あっ、久しぶりです~」みたいな。人が少ない故の特殊性ではないかと思います。

-じゃあ冒頭でもお話があったんですが、どんどん人が増えてしまうという事で、変わっていってしまう部分もあるかもしれないですね。

野球やサッカーほどは増えないとは思います。プロがないですから。でも人がどんどん増えていってくれて、ある程度変わる部分はあるかもしれないですね。

ただ、公式大会ではしないんですが、将棋のような感想戦をするんです。「ここの送り札(自陣から相手陣に送る札)よくなかったね~」とか、そういう良い部分は変わらないと思いますね。


>> 次頁「競技かるたを、いつかメジャーな競技へ。」

 

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