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トップスピードで走り続ける京大生、日野湧也。その思考や信念に迫る。

Writer|細辻 あおい Writer|細辻 あおい
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2019.1.29

大切なのは「分析力」と「行動力」

−でも結果を信じて、そして結果をキチンと出すって中々難しいことだと思うのですが、そのために何が大事だと思われますか?

まず、分析力は大切だと思います。僕は割と色々と卒なくこなす方なのですが、実はやりたくないこととか苦手なことは一切見向きしません。

「あ、これは自分にはできないんだな」と、できないことを認めて次に行きますから。これは自虐とは違います。

自虐と、できないことを認めるというのは全然違います。厳しい言い方になりますが、自虐は結局保身ですから。できないって認めた上でどうできるか、ということもできるのに、環境や金銭、才能など不可抗力な部分に結果を委ねてるんです。

「どうせできないから」とかじゃなくて、自分はここが得意でここが苦手、ということを自己分析することで、得意なところに自分の最大値を出すことができるんです。

多分努力って、自分を信じて、信じた部分が能力に比例していたら結果に繋がると思うんですよ。だから過信や卑下がなければ、自己分析をした上での努力ってそのまま結果に直結すると思います。

-確かに勉強でもスポーツでも、自分を客観視して冷静に分析できる人がどんどん上に登っていく、というイメージがありますね。

それと行動力も大切ですね。最初からは誰でもできない、というのを理解しているから折れないんです。僕は書道や武道もできますが、最初からキャップ投げが上手いわけでも字が上手いわけでも無いです。

でも、それを分かった上で自信持って継続してきたから、今それらを得意とするんです。なんでも最初からできる人間ではないし、そうである訳ないんですよね。

そして大前提として、それができるように迷うことなくしっかりと努力している、というのがあります。

それに、これは特に子供にとってですが、「勘違い」も大切かと思います。

-「勘違い」ですか?

僕は「勘違い」すると能力って伸びやすいと思うんです。世界一サッカーが上手くなると思っていたら、実際にサッカーはある程度上手くなります。

大人になるとそれがリスクに変わってしまうので、大人にとってはあまり良くない面もありますけど、子供のモチベーションってやっぱり「勘違い」だと思うんですね。

例えば何か工作を作ったとして、出来は良くなくても親に「すごい建築家になれるかも」って言われたら勘違いして嬉しくてずっと作りますよね。

そうすると、それが知らないうちに「努力」になってて、そのうちに本当にクオリティも上がっていく。「勘違い」からくる努力だと思わない努力が一番効率よく結果につながると僕は思います。

-なるほど、確かに楽しければずっとやりますし、効率もいいですよね。でも一方で、先ほども努力の過程で苦しくて恥ずかしい事もあるとおっしゃっていたように、大人になると普通はそこで周りの目が気になったりしてやめてしまいますよね。

そうですね、だから何事もピラミッド型階層になっていると思うのですが、他人の目が怖いという人は、結局他人から「マイナスの目で」見られるのが怖いんです。

評価される、結果が出ることが確定していないので、行動にはただバカにされるだけかもしれないと言うリスクが付いてくるんですが、日本人の多くはそのリスクを取りません。

行動しないというのは、失敗するリスクを捨てて「行動しない」という道を選んだだけなんです。だからリスクを取らず安定した道を選んでも、それはその人が選択した道なのでいいと思います。

でも、その道を選択しているのに、前に進んでいる人や上にいる人に嫉妬したり、能力に憧れたり、結果に疑問を持つのは違うと思います。行動しなかった時点で得られるかもしれない結果を捨てているということですから。

上に上がろうとする行動は常に失敗したら痛いし、結果が出るまではすごく恥ずかしいことが多いんです。誰でもピラミッドの上に行けば行くほど怖い。落ちたらその分痛いですからね。

でも上に行く人は、環境的に恵まれていると言うのもあると思いますけど、それでも人の目が怖い中で行動したし、選択しているんです。

-誰でも人の目は怖いけど、その中で「行動する」人が結果を残せるんですね。確かに行動力が大切だと実感しますね。私自身にとっても勉強になります。


>> 次頁「「異文化理解」とは「異なる文化であることを理解すること」」

 

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