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楽単情報だけじゃない!京大知名度No.1情報誌の知られざる裏側《前編》

Writer|塩田 かりん
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2019.4.24

真面目に笑いを追求する。明かされる制作過程。

-Chot★Betterには特集に沿ったコンテンツがあるとのことでしたが、特集はどうやって決めているんでしょうか?

Chot★Betterには編集、制作、営業という3つの部署があるんですが、特集を決めるのは基本的に編集です。

発行日の2ヶ月くらい前から2~3週間かけて編集会議っていうのをやって決めるんですけど、編集だけでなく、他の部署でもアイディアを出したい人や覗いてみたい人は参加できます。

編集+αの人で案を持ち寄って内容を詰めていき、その中でテーマを決めていく、という感じですね。

-特集が決まったあとの制作のスケジュールはどうなっているんですか?

わかりやすく4月1日発行の春号で説明すると、2月上旬から下旬にかけて編集会議をします。

で、2月末くらいに特集が決まって、それから編集とページデザインを行う制作が意見をすりあわせる期間があります。

本格的にページ制作に入るのは2月終わりから3月頭にかけてです。「作業期間」と呼ばれていますね。

-作業期間はどのくらいで、何人くらいで作ってるんですか?

作業期間自体は3週間くらいです。所属しているのは1学年だいたい20人。2回生までなので全体で約40人です。

ただ、参加度は人によりますし、営業は広告を取ったり近隣の店との契約をしたりする部署なので、直接的に誌面の制作に関わることはそれほど多くありません。

なので、実際にがっつり誌面を作るのは編集と制作の人、20人もいないんじゃないかな、と思います。

-毎回特集を決めないといけないと思うんですけど、決める上で大変なことはありますか?

さっきも言ったように、特集を決めるには編集会議で案を持ち寄って、その中から決めていくっていう形をとっているんですけど、アイディアが途中で詰まることはよくあります。

たとえば「筋肉」という案が出たときに、テーマ自体はすごくおもしろいから「やりたい!」と思う。

でも見開き5ページ分作らなきゃいけないのに、どうしても3つしかおもしろそうなコンテンツが思いつかない。あと2つコンテンツを思いつかなければ特集として成立しないので、手詰まり状態になって結局ボツになるのはよくあることです。

-大変ですね。そういう状況はどうやって打開しているんでしょうか?

時間が解決してくれることもありますし、1回全然違うテーマで考えてみるのも手です。筋肉特集をあきらめて、違うテーマのコンテンツを考えることで「あ、このやり方だったら筋肉特集のコンテンツに応用できる!」とヒントが見つかることも多いです。何人かの考え方をドッキングするという打開策もありますね。

「大変なこと」という話題に戻っちゃうんですけど、特集が決まってコンテンツも5個決まった、どれもおもしろそうだからいける!と思っていざ作り始めると「全然おもしろくない……」となることもあります。

アイディアの上ではおもしろかったのに、実際に誌面にすると思っていたのと違うっていうか。

-それは見すぎてそうなってしまうのではないんですか?

それもあると思います。1~2ヶ月同じネタについて考えているので、最初の1~2回はおもしろくてもそのあとはどうしてもおもしろいと感じにくくなってきますし。

でも普通に「こういう配置でやったらきっとおもしろいだろう」「こういうオチでやったらおもしろいだろう」と思ってやってみて、いざみんなに見せてみると「うーん」という反応をもらうこともザラにあって。そういうことも作っていく上で大変ですね。

-スベるのは怖いですよね。一生懸命やって「つまんない」って言われたら「じゃあやってみなよ」って言いたくなるけど、言えないじゃないですか。

ほんとにそうです。あとは、自分で文章を書いたりみんなのを読んだりしていて思うんですけど、デザインだけじゃなくて文章にも書いた人の個性が出るんです。

エッセイとか意見文じゃなくて、ある程度決められたネタやアイディアを書いているのに、その人の人格とか個性が出る。文章を否定というかダメだしされると傷つくのはだからなのかな、と思うようになりました。

そこに表された人格そのものを傷つけられたように感じるからというか。自分がダメだしされたらへこむし、他の人もそうだと思うので、人の文章に意見するときもちょっと気を遣うんですよね。

その「無意識に人格や個性が出る」というところが、編集として文章に触れる中でのおもしろくもあり難しくもあると感じていたところです。

文章に限らず、何かを表現するものって全部そうなのかもしれないですね。


>> 次頁「命を削って攻め続ける。Chot★Betterが守ってきたもの。」

 

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