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楽単情報だけじゃない!京大知名度No.1情報誌の知られざる裏側《後編》

Writer|塩田 かりん
  • 読了目安時間:9分
  • 更新日:2019.5.9

部門グランプリ受賞。迎えた大きな転機。

-学生団体総選挙について教えていただけますか?

学生団体総選挙というのは、学生団体が自分たちのやっていることをプレゼンして、企業さんが応援したいと思う団体に賞金を出す、という大会です。

全国から応募した約800団体の中で、8つの部門ごとに10団体が選ばれます。その部門ごとにグランプリが決まって、最後に部門グランプリの中で総合グランプリを決めるのです。

僕たちはフリーペーパー・ウェブメディア部門に出場して、部門グランプリを獲りました。これは去年のChot★Betterにとって大きな転機でしたね。

学生団体総選挙には学生と絡みたい企業さんが多く来ていたので、僕らのプレゼンを見た企業さんに広告を載せてくださいって言ってもらえたり、大会には来ていなくても結果を見た企業さんから連絡がきたり。

さっき話していたような京大周辺の飲食店とは違う、ちょっと離れた場所にある企業さんともつながれるようになりました。去年、対外的な活動がより広がったのは、この総選挙がきっかけだったと思います。

-出場したのは初めてだったのですか?

いや、去年の大会は第4回だったのですが、第2回のときは部門の準グランプリで、第3回は予選落ちでした。予選は書類審査みたいなものなんですけど、前回落ちて今回通った理由はよくわからないです。大したことはしていないので。

-具体的には何をプレゼンしたのですか?

僕らはChot★Betterとは何かをプレゼンしました。いつできた冊子で、今までどういうことをやってきたかとか。いくつかの記事を紹介して、なんでこんな記事を書いているのかっていうコンセプトを説明しましたね。

-対外的になったとおっしゃっていましたが、具体的にした取り組みなどはありますか?

たとえば類グループという大阪の企業さんから企業賞をいただいたんですけど、類グループさんとはイベントを一緒に企画しました。あちら側としても類グループの名前が出るし、こちらとしてもイベントの様子を記事にして誌面に載せられたのでよかったです。

-いわゆる記事広告(通常の記事のような体裁のPR広告)ですよね。

そうですね。今までも企業さんと協力して広告を作ることはあったんですけど、企業さんのサービスを「ただ説明する」というのが多かったんです。

実際に企業さんとイベントをやってそれを記事にするっていうのは初めてで、新しいことができました。

-じゃあかなり変わってきましたね。

はい。ただ可能性が広がった分、ある意味難しくなったというか、何を軸にしたらよいのかわからなくなりました。

Chot★Betterはもともと京大生に楽しんでもらうというコンセプトのもと発行している冊子なので、京大内で配れていればよかったんです。

でも学生団体総選挙を経て、Chot★Betterが学外の人にもウケるのがわかったし、企業さんからもアプローチがくるようになりました。そうやって外の世界にもChot★Betterを広げられる可能性が出てきたときに、今のまま京大内に限定するのか、それともどんどん広げていくのか、という新たな悩みが出てきました。

「京大生」という軸をおろそかにし始めると、もはやなんでもないフリーペーパーになってしまう可能性もありますし、売り上げが上がればいいといったわかりやすい指標があるわけではないので、広げれば広げるほどいいというわけでもないですから。

こんな風に活動できるようになったのは初めてのことだったので、今後、対外的な活動を増やしていくなら、その目的を考えないといけないと思います。

-対外的になろうとして広告をたくさん載せるのも違いますもんね。

学生が作っているフリーペーパーなので、広告を載せさせてもらうのは利益が目的ではなく、やりたいことをやるためです 。だからそのための最低限のお金さえ集められればいい。利益の追求を主にするとやりたいことがブレてきますね。

あとはやっぱり広告が増えたことによって、他のページも気になるようになりました。

今までは広告が少なかったので「広告を取らなきゃ」っていう悩みだったんですけど、今は広告自体もおもしろくしないと、冊子全体がつまらなくなってしまうという悩みに変わりました。

もっと記事広告を増やしていけば、ただ広告を増やしていくよりは面白みを残しつつお金を集められるのかな、と思っています。でも正直僕らも1年でちょっと変わっただけなので、次の1年どうなるかはわからないです。

冊子の形態というか、ページの割合も年々結構変わっていくとは思いますけど。

-今までは広告が取れなかったからこそ営業もガンガンやってよかったけど、広告が取れるようになってくると、どういう風に運営するかとかも考えないといけないですよね。

そうですね。記事広告を作ればいいっていっても、作り手も無限にいるわけではないし、デザインする期間も制約されているので。

「広告が取れりゃいい」っていう考えは今年から変わってきたかなと思います。


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