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「本当に豊かな暮らし」を追い求めて。旅人・酒向快の夢見る社会のかたち。

Writer|掛川 悠矢
  • 読了目安時間:6分
  • 更新日:2019.10.15

枠に縛られたくない!「型破り」すぎる半生。

-おもろチャレンジ採択までの酒向さんの生い立ちを色々お聞きしたいのですが、まず幼少期の酒向さんはどんな子供だったんですか?

不満だらけで、一身に不幸を背負ったような子供でした。(笑)

例えば小学校から帰るときに先輩のお兄ちゃんと一緒に帰らなきゃいけないのが嫌で、「何で自由に帰らせてくれないんだ!」みたいな。授業も受けたくなかったりとか、家庭内でも不満があったりとかで、自分は不幸だ!!って思ってました。

-本当に幼少期のお話ですよね…?(笑)いつ頃までそういう風に思われていたんですか?

高1の時にオーストラリアに留学して、帰ってきたくらいまでです。

-その経験がアイルランドでの行動力に現れていたんですね。オーストラリアには高校の留学プログラムで行かれたんですか?

いえ、外部のプログラムに応募して行きました。

高校で友達もできて、これからこの仲間たちと面白いことができる!と最初は思っていたんです。でも皆部活を始めたりして、いかにも高校生みたいな生活を始めてしまって。「みんなに合わせてそんな生活して、本当に楽しいの?」と思って、またしても不満だったんですよね。

-枠に縛られるのが嫌いな子供だったんでしょうか。

そうなんです!それで高校はつまらなかったので、外部のキャリア支援団体のようなところに顔を出したりしていて。そこで「高校留学したら楽しいよ」って話を聞いて留学をすることにしました。10ヶ月くらいのプログラムでした。

-そこで枠から抜け出せたんでしょうか。

いえ、さらに酷い枠組みが待っていました。留学先が田舎だったこともあってレイシズムが強いところで、日本人の僕は酷い差別を受けて。面白いどころか“ただの不幸じゃないか”って思っていたんですけど、それを撥ねのけられるようになって帰ってきたくらいで色々と割り切れるようになりました。

-逆境が酒向さんの中での変革に繋がったんですね。

そうですね。それからはある程度不満を不満とも思わなくなりました。

-高校留学の経験を経て京都大学に入学されていますね。語学力を活かす選択肢もあったかと思うのですが、農学部を選ばれた動機はどのようなもだったのでしょうか。

僕は本当に豊かな暮らしってなんだろう?ってよく考えるんですけど、豊かな暮らしの根底にあるのはご飯で、それを支えているのは農業だと思ったんです。それで豊かな暮らしを追求するためには農業の勉強をしなきゃいけないんじゃないか!?って考えたのが1つの理由です。

-本当に豊かな暮らしとは何なのか、すごく深い問いだと思います。実際に京大に来て、熊野寮にも住まれていましたね。「京大らしい」生活を送られたと思うのですが、いかがだったのでしょうか?

高校時代の面白い先輩たちが住んでいて、元から熊野寮の存在は知っていたんです。熊野寮に住みたいというのは自分が京大に来た理由の1つでしたし、実際に住んで面白い人にたくさん出会えたのでやっぱり楽しかったです。

熊野寮の面白いところって人の面白さだと思うんですけど、それを育む環境というか、自由を奨励する雰囲気みたいなものが連綿と受け継がれて来ている歴史も面白いと思います。

-京大での生活は酒向さんにマッチしていたんですね。


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