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“理想のかわいい”に到達したい。京大工学部生が見つけた夢中になれるもの。

Writer|塩田 かりん
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2019.12.29

新鮮だった「純粋に楽しいから没頭する」という感覚

-ところで、つのつのさんは物理工学科なんですよね。なぜ物理工学科に進学しようと思ったのでしょうか?

高校の1,2年生のうちは社会の役に立ちたくて医学部に入ろうと思っていました。でも、よくよく考えたらどんな仕事も人の役に立っているな、と思って自分の好きなことを基準に進路を選ぼうと思いました。

僕はもともと理系科目が好きだったので、選択肢は工学部か理学部で、物を作るのが好きだから工学部がいいかなと。その中でも核融合発電に興味があったので、物理工学科を選びました。

-それでは今はその分野の勉強をされているんですか?

いえ、全く別のことを勉強しています。高校生の時はどの分野も知らないことばかりで、どれも奥深いなあと思っていました。今は機械に興味があります。機械とか設計ではトレードオフというか、あっちを立てるとこっちが立たない、みたいなことがたくさんあるんです。

たとえば、ある部品を丈夫にしないと危ないけど、単純に部品を分厚くすると重くなってしまう。このトレードオフを解決するために、軽くて丈夫な素材を作る、負荷に強い構造にするなど、いろいろなアプローチがあると思います。一つの課題に様々な解決方法があって、いろんな企みを持った研究がされている。そこがおもしろいですね。

-工学部物理工学科でありながら絵もやっていらっしゃって、さらにはボルダリングにも取り組まれていると伺いました。もともといろいろなことに興味がある性格だったのでしょうか?

うーん、好奇心は旺盛な方だったかもしれないですね。小学生のとき一人旅が好きで、京都の実家から京都駅まで歩いたり、宇治川をどこまで下っていけるだろう、と思って大阪城まで行ったりしていました。

-一人でですか?

一人でです。母親には「今日出かけるから」と言って、地図をプリントして朝5時に家を出ました。宇治川に沿って歩いたら大阪湾まで行けると思っていたんですけど、大阪城までしか行けませんでしたね。そんな感じでやってみたいことがぽんぽん出てくる小学生でした。

-活発だったんですね。創作やボルダリングは二回生から始められたということでしたが、何かきっかけがあったのでしょうか?

大学に入ってあることで挫折を経験して、何も手につかなくなった時期があったんですよ。

高校時代は1年生で部活もやめて猛勉強していました。それで、ある程度は勉強が得意になって、それが自分の自信にもなっていたんです。

でも、大学に入って勉強や学問の本質は人と比べることではないと初めて知りました。薄々気づいてはいたんですけどね。自分の自信になっていたのが実は全然本質ではないところだったなあ、と悩みました。

そんな感じで一通り悩んだ後、とりあえず何か面白そうなことをやってみようと思って、絵とボルダリングを始めたんです。自分の本当のアイデンティティーを探そうと考えたわけではなく、本当に暇だったので。

そうしたら、両方ともすごく楽しくてどんどんのめり込んでいきました。「純粋に楽しいから没頭する」ということが僕にとってはすごく新鮮だったのかもしれないです。大学生にもなって、という感じですけど。

絵にはコンテストがありますし、ボルダリングも競技なので人と比べられはします。競争がないと成長につながらないとは思いますが、それでも第一には楽しいからやる、というスタンスが僕にはいいのかな、と思います。


>> 次頁「見つけたい「美術」と「工学」の交差点」

 

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