人事部のヒトリゴト
vol.028 広告代理店の給与について
Writer|Taketo.S |
- 読了目安時間:3分
- 更新日:2017.9.20
広告代理店へ就職を検討する理由の中に「給与が高い」事を想定しているケースもあるでしょう。今回は広告代理店の給与についてまとめていきたいと思います。
給与は平均的な企業群よりも高い
やや曖昧な言い方になりましたが、概ね年代別の平均年収よりも高くなると考えられます。また株式を上場して公開している企業であれば平均年収と平均年齢が分かりますので、そのデータから推測する事も出来ます。
インセンティブはつくのか?
インセンティブというのは営業職では付く場合があるでしょう。例えば達成率100%で○万円等といた具合です。しかし、広告代理店の場合はこれが無いパターンが多いです。
電通であれば入社○年目までは残業代が青天井で付くといった事もあり、100時間残業すれば固定月収を残業代が超えるような計算になっていました。従って、役職が管理職になったほうが年収が下がるというケースもあるわけです。(現在は残業規制などで2017年度年収は下がる可能性があります)
残業代で稼ぐ風潮
前述しましたが、特別なインセンティブ等が無い事が多く、残業を多くする事で給与額を増やすという考えが蔓延していました。また、上司もそういった風潮を経験してきている世代になるので、若手も同じように残業を進んでやる傾向があります。
しかし、近年の広告費削減による費用の縮小や残業過多による過労死などの不幸な事態から、無駄な残業を抑制する施策を導入している企業が増加しています。従って、これから、徐々に年収のベースも下がっていく事が想定されます。
土日の仕事
広告代理店で営業やディレクションを担当していると土日に仕事を持ち越す場合があります。これは出社せずに自宅や出先からリモートで仕事をすると言うことです。
また、広告代理店で勤務をすると分かりますが、メールの数が膨大になります。筆者は自分宛のメールだけをソート出来るように設定していましたが、それでも読むべきメールは一日に100件を超える事がざらにありました。
それらを読み、返信を返す作業を日曜にする方も多く居た為、日曜の夕方等は業務メールが飛び交っているといった状況でした。
会社側からすると残業規制などで社員の労働環境を改善しなければいけませんが、土日を両方共完全に休むと月曜日の午前がメールチェックと返信で潰れる可能性もあり、結局業務がまわらないという悪循環を生んでしまうというシステム上の問題点もあります。残業規制と同時にこういった問題を解決する必要もあるでしょう。
最後に
総括すると、広告代理店の給与は年代別の平均年収よりも高い物になる事が想定されます。しかし、残業の多さに加えて、クライアントとの付き合いや土日のメール返信等、付帯業務に時間を取られる点を考えると、本当に広告が好きでないと辛い環境だと考えられます。
また、人事異動等についても営業とディレクションの間には往来があっても、クリエイティブとの間には異動実績があまりないと言えます。またずっと営業部に在籍になる方も多数いる為、就職時には、その募集ポジションがキャリアプラン上、終点であっても構わないかどうか考えておく必要があります。
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Follow @bicyear大学卒業後、外資系通信キャリアへ入社。その後、大手広告代理店、財閥系金融機関と業界の異なる企業への転職を成功させ、キャリアを構築。各企業で新卒、既卒、中途の採用業務にも従事しており、採用する側、される側の両方を深く理解。
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