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人事部のヒトリゴト

vol.043 「ボランティア経験」は面接で評価されるのか?

Writer|Taketo.S Writer|Taketo.S
  • 読了目安時間:2分
  • 更新日:2018.7.24

今、話題になっていることの一つとして2020東京五輪における「ボランティア問題」があります。これは、東京五輪におけるいくつかの役割を無償で行ってもらうため、募集をかけているのですが、あまりにも労働対価として見合わない報酬(殆どの募集が無償、研修代などはボランティア負担など)ということで、反発が起きているというものです。

当該問題において少しボランティアについて懐疑的な意見が出始めてはいますが、面接において「ボランティア経験」を在学中に頑張ったこととして話す学生が多いことも事実です。それでは、ボランティア経験は社会人の面接官にどのように響くものなのでしょうか?

活動で何を生み出したか?

先程も触れましたが、そもそもボランティアというのは「志願者」ということを意味しています。つまり、なにか理由があり、生み出したいバリューがあり志願しているべきです。就活のために行ったボランティアというのは、このバリューの点が欠落している場合が多いです。 ボランティアは決して利益や便益を生み出さない、非営利活動の総称ではありません。自分が行った活動によって、何を生み出したのかということをプレゼンテーション出来れば評価されやすいでしょう。

経済や企業活動と結びつけて考える

ボランティア活動を通じて、経済や企業の活動とどう結びつけていくかのアイデアがあればベストですが、ここで大事なのは、「企業に負担をさせる」というだけのアイデアは意味がないということです。

企業は利益追求の傍らでCSR活動(corporate social responsibility)を行っています。その一環としてボランティア活動で得た経験を活かすというのは、実はそこまで発展的なアイデアではありません。

たとえば、途上国を発展させるというミッションを持ったボランティア活動に従事していた場合、そこに無償の支援をするということは民間企業には限度がありますが、そこに利益追求のためのアイデアが介在すれば一気に予算は増加します。

ボランティアという行為は「無償」に近いが、「無償」ではない

ボランティア活動を通して、給与を得ているという人は日本人の学生では非常に数が少ないでしょう。これによって、ボランティアという行為のすべてが無償であるべきだと誤解し始めると、途端に企業と相性が悪くなります。

ボランティア活動で得たものを、何かしらの企業が扱えるもの、バリューを生み出せるものに変換するアイデアにこそ価値があります。無償でやる行為というのは尊いと思われがちですが、正常な力学で途上国にバリューを生み出させるアイデアの方が圧倒的に価値があります。

たとえばフェアトレード商品などがその一つとして挙げられます。日本においては、コーヒーなどが消費量が多いので相性がいいですね。このように、ボランティア活動と一口にいっても、面接において、その行為単体には企業としては大きな加点が出来ないのが現状と言えるでしょう。その行為の先に、「歪になった何か」を、新たなバリューを生み出し、誰も無理をすることなく改善するというアイデアにこそ価値がある、と私は考えています。

 

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