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人事部のヒトリゴト

vol.041 一見ありえない、「3年以内にやめます」が響く会社って?

Writer|Taketo.S Writer|Taketo.S
  • 読了目安時間:2分
  • 更新日:2018.6.14

このコラムを読んで下さっている方の多くは学生ですね。その中でもっと精緻に言うと、大学生が多いわけですが、そんなみなさんに「今すぐに思いつく会社」はどこ?と質問すると消費財(to B)を扱っているメーカーが少なくとも1社は入ってくるでしょう。

パナソニックやシャープ、富士通やSONY、トヨタetc・・・。

いずれも日本を代表する大企業ですね。では、こういった大企業ではどういう学生が求められていると思いますか?文理問わず、優秀で、スペシャリストでありながらジェネラリスト、安定した思考と志向、こんな具合でしょうか。

概ね間違いがないと思います。大企業ともなると、ワークフローの最上流にいることが殆どであり、俯瞰して物事を見たり、スペシャリストをマネジメントすることが増えるからですね。

さて、閑話休題、首題を回収していきたいと思います。

上述したような大企業では、長く勤めるということが多いでしょう。実際にデータを見てみると、トヨタは平均勤続年数が約15年程度(トヨタの有価証券報告書より)で推移しています。

そういった会社に3年で退職するつもりです、と面接などで言うのはあまり好ましくないでしょうね。ではどういった会社に響くのでしょうか?

まず、「3年でやめる」ことの真意とは?


外資コンサル、とくにtop-tierの2社になると、3年以上在籍することの意味を確実に見出していないのに、在籍を続けている人というのは極端に少ないでしょう。明確なゴールがあって入職しているので、意味なく働き続けるということがレアだと言えます。

そして、「3年でやめる」というテキストには、3年以内に自分がしたいことを見つけるため、「とてつもなく会社にコミットする」というコンテクストが隠されているわけです。

それほど尖って、とてつもないパフォーマンスを発揮することを約束する、それがこの言葉の真意でしょう。外資コンサルにおいては、3年という期間は、社会にインパクトを与える仕事を自分で創出するか、それとも昇進し続けるか(Up or out)を決めるには十分すぎる期間と考えられているとも言えます。

「スタートアップベンチャーに永住」はナンセンス

ベンチャー企業と言っても、売上などのボリュームによってスタートアップベンチャーやアーリーベンチャー、ミドル、そしてメガベンチャー(サイバーエージェントなど)などと緩やかに区切られています。

中でも、起業して間もない会社をスタートアップと呼称しますが、ここでは逆に一生勤め上げますというのはナンセンスだと思われることがほとんどでしょう。

これにはいろいろな理由がありますが、やはりそんな先の未来まで社員を緩やかに導いていくリソースはないということでしょう。言い方が荒っぽいですが、スタートアップベンチャーは、どう転ぶかわからない毎日を送っています。

ローンチしたサービスがある日突然停止するかもしれない。小さなキャッシュフローと内部留保でランニングしているため、僅かな変数の変化で資金ショートを起こす可能性もある。

だからこそ、3年(以内)で自分がしたいことを達成するための足がかりにする、という従業員を欲するわけですね。

ちなみに、現在パナソニックの新卒採用担当やマーケティング担当に、リクルートやドリコム出身の方がいらっしゃるので、これからどんどん大企業イコール永年勤続が正しい(離職率を上げることを推奨するわけではなく)という構図が変わっていくかもしれないですね。

 

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