「はたらく」のミスマッチをゼロに。

社会人インタビュー

年商5兆円企業のマーケターが語る、本当のマーケティングの難しさ。

  • 読了目安時間:5分
  • 更新日:2016.08.31

苦戦の続く国内の家電メーカー。その中の1社である富士通でスマートフォンのマーケティングに従事されたK.H.さん(20代後半♂)。華やかなイメージを持つ人も多い職種の1つだが、実際には泥臭いことも多く、壁にぶつかることも多いという。

名刺

“誰に何を売るのか”を考える

–本日はお忙しい中、お時間を頂き有難う御座います。早速では御座いますが、富士通でのお仕事内容を教えて頂けないでしょうか。

スマートフォンの商品企画です。様々なデータや他業界も含めた成功事例、自身の経験等を基に、「誰に何を(どんなスマートフォンを)売るのか」を考えることが仕事です。

–具体的にどのようなことをされていたのでしょうか。

まず“誰に”の部分ですが、市場全体を俯瞰し、どの顧客層なら富士通製品を購入して頂けるかを検討し、定義付けします。年齢、性別、職業だけでなく、例えば好きなブランドやモノゴトに対する考え方等、その人の内面まで可能な限り明らかにします。いわゆるペルソナ作りです。

–では“何を”の部分は?

作成したペルソナを基に、そのユーザーのニーズを満たすようなスマートフォンとはどのようなモノかを考えます。例えばそのユーザの使い方を想定し、新機能を考えたり、そのユーザが好むデザインを考えたりします。最終的に練り上げた企画を役員に説明し、承認されれば晴れて商品化という流れです。

スマートフォンは急激にコモディティ化

–すんなりと企画は通るモノなのでしょうか。

その時々の会社の業績等によって変わりますが、近年は比較的厳しいです。といいますのも日本のスマートフォン市場自体が飽和気味であり、かつ商品自体の成熟度もかなり増してきましたので、なかなか新商品が売れない現状がありまして。以前ですと、2年程で買い替えるお客様が多かったのですが、最近は3年以上同じ機種を使い続けるお客様が多いですし。

–スマートフォンという商品自体に一時期のような勢いは無くなりつつあるようですね。

さらに海外勢も参入してきていますしね。特にスマートフォンは急激にコモディティ化してきていますので、彼らのコスト競争力は本当に脅威です。

–コモディティ化が進めば、激しいコスト競争にさらされるのは必然ですからね。

国内メーカーはなんとか自分達なりの価値を創造し、コスト以外の部分で勝負しようと努力しているのですが、正直なかなか難しいのが現状です。

–具体的にどういった点が難しいのでしょうか。

スマートフォンは一メーカーが独自開発できる部分が少ないため、どうしても似通った商品になってしまいます。例えばOSはAndroid OS、チップはSnapdragon等。特にAndroid OSを利用するためにはGoogle社が規定した様々な条件を厳守する必要があります。

–その条件というのはどのようなものなのでしょうか。

詳しいことはお伝えできないのですが、例えば出荷時に載せるアプリに制限があったりします。その代わり無料で利用させてもらえるのですがね。

–Android OSを利用しないという選択肢はないのでしょうか。例えばWindows 10 MobileなどのOSを使うなど。

可能性はありますし、数年前より高いと思います。しかし結局はAndroid OSがWindows 10 Mobileや他のOSに変わるだけで、一メーカーが独自開発出来る領域が少ないことに変わりはないと思いますが。

–それではあまり変わらないかもしれませんね。

あとは、いわゆるトライ&エラーが出来ない点ですね。スマートフォンは新たに1機種開発するのに莫大なお金が掛かりますので、気軽にサンプル品のようなモノを作って、市場の反応を見るというようなことができません。なので大きなチャレンジが出来にくい商材になります。


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