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“してあげる”ではない“やりたいこと”だけやる「国際協力」。Pumpitが考える新しい支援のカタチ。

Writer|細辻 あおい Writer|細辻 あおい
  • 読了目安時間:9分
  • 更新日:2019.2.22

勝谷 香子(かつや かおるこ)、京都大学総合人間学部3回生。学生団体Pumpit(ぱんぴっと)4thの代表を務める。カンボジアに小学校を建設するための費用500万円を企画・運営したイベントやクラウドファンディングで調達し、今春には校舎が完成予定だという。その経緯や理念、新しい国際協力観に迫る。

「自分たちがやりたいことしかしない」。Pumpitを貫く大きな柱。

-本日はお忙しい中お時間いただきありがとうございます。早速ですが、Pumpitとはどのような活動をしている団体なのでしょうか?

一番のゴールはカンボジアに学校を建設すること。そのためにお金を集めるのがメインの活動です。

お金の集め方には一個だけルールがあって、「自分たちがやりたいことしかしない」。逆にやりたいと思ったらなんでもやっていいし、やりたくないことは無理にやらない。それが決まりです。

例えば、音楽に興味がある人が「夢」をテーマにした路上ライブイベントがやりたい、ということを言い出したら、それに賛同する人がコアメンバーになってその企画を運営して、その他の人は集客を手伝ったりとか。

-なるほど、面白そうですね!現在Pumpit4thということは4年目ということでしょうか?Pumpit自体はどのように発足したのですか?

Pumpitはもともと、学校建設をしたら解散するというプロジェクトだったんです。1代目の方が学校を建設されて解散された後、その1代目のメンバーの中で「もう一度やりたい!」と言う方がいて、その方がもう一度Pumpitを作ったんです。

それが2代目のPumpitになって。それも学校を建設して解散して、そしたらまたその中の何人かがまたやりたいって言い出して3代目ができたんです。

私は3代目から参加していて、三代目が解散した後に私と現副代表とあと二人のメンバーが残って、「もう一回やろうぜ」と今のPumpit4thを作ったというわけです。

-なるほど、勝谷さんが今のPumpitを作られたんですね。そもそも、勝谷さんはどうしてPumpitに入ろうと思われたのですか?

入学したての頃、東京から京都に移って一人暮らしを始めて、いろいろな環境の変化についていくのが必死で新歓(新入生歓迎会)に行かなかったんです。

知らない人とたくさん喋って勧誘されて、という新歓独特の雰囲気もなんとなく苦手で。そうしたら入るサークルがなくなってしまいました。

学部の方も、勉強するつもりで大学に入ったのに私の入った総合人間学部はどうもそういう学部ではないぞ、と感じまして(笑)

というのも、私は今まで与えられた勉強しかしてこなかったので、自分で興味のあるものを探す環境に慣れていなくて。しかもそれが総人となるとなんでも勉強していいよ、好きなようにしなさいという感じだったので、そこで「私そこまでしてしたい勉強がないぞ」と気がついて焦ったんです。

このままだと私の大学生活、何もなくなってしまう、と。そんな時に3代目Pumpitのビラを見つけて、直感でこれに入るしか残された道はない!と思い参加しました。

-そういった経緯で3代目に参加されて実際に活動を経た勝谷さんが、もう一度Pumpitを発足されたのはどうしてですか?

いっぱい理由はありますが、そもそも活動を終えた時、やりたいんだけど、って言ってきてくれたのは副代表でした。その人はPumpitの、「自分たちが楽しんでいたら、その結果国際協力をやっていた」という順番に魅力を感じていて、その考え方をもっと広めたい、終わらせるのは勿体無い、と言う考えでした。

私はどっちかと言うと、もうPumpitが自分の「居場所」だという思いからです。自分がやりたいことを心から応援してくれることや自分の意見が率直に言えることは今まで無かったし、みんなほぼ毎日一緒にいましたから。

大学には他にそういう自分の居場所みたいなのが無いな、と思って。そういう私みたいな体験をしてくれる子があと三十人くらいできたらいいと思い、これで終わらせるのは勿体無いなあと思ったことがきっかけです。

-国際協力よりも「やりたいからやる」をまず優先する理念や、様々な動機を持った人の集まりであることがPumpitの魅力なのですね。


>> 次頁「「やりたいからやる」を応援する社会に。クラウドファンディング成功の背景。」

 

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