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“してあげる”ではない“やりたいこと”だけやる「国際協力」。Pumpitが考える新しい支援のカタチ。
Writer|細辻 あおい |
- 読了目安時間:9分
- 更新日:2019.2.22
「やりたいからやる」を応援する社会に。クラウドファンディング成功の背景。
-では実際のイベント運営についてお伺いしていきます。イベントの企画運営に際して心がけていることはありますか?
私たちは「3方向のハッピー」と言っていますが、「社会、つまり周りの人やお客さんが笑顔になること」「その前提として自分たちが楽しいことであること」「結果的にカンボジアの子供たちにハッピーが届くこと」が私たちの活動指針です。
子供達が笑顔になってくれたらそのことでまた私たちも嬉しいし、という三方向的な幸せのやりとりですね。
-いい方針ですね!でもやはり実際、企画運営していく中で大変なこともあったと思うのですが、苦労した点などもお聞かせください。
3代目が無人島イベントなどの学生向けイベントが得意で集客もうまくいっていたのですが、私たち4代目はめちゃくちゃ集客が苦手なのでそれが一番大変でした。
じゃあどうしようかな、となった時に、幸運なことに応援して助けてくれる社会人の方が結構いらっしゃったんです。それで、講演など社会人向けのイベントも取り入れる事ができてなんとか上手くいきました。
「このお金はカンボジアの子供たちに使われます」という文句で集客をしたくないというこだわりがある分、宣伝がとても難しくなるんです。ほんとめんどくさいですよね(笑)
資金繰りの面でも大変でした。私たちはNPOと連携してプロジェクトを進めていて、実際の建設はNPOの連携の建築会社に依頼しています。ずっと建ててもらっていて、今年の3月15日に開校式です。
そのお金をNPOに、全部で500万円払わなければならなかったんです。時に締め切りを延ばしてもらいながら、カンボジアツアーを企画して集客をめちゃくちゃ頑張って半分はなんとか達成しました。
その後の金額はNF(November Festival)や講演などで。特にNFとかは人数も少ないのでめちゃくちゃ大変でしたね…。それで、最後の100万円を何で集めたいか考えた時に、出てきたのがクラウドファンディングでした。
-そこまで集まったのがすごいですね。ところでクラウドファンディングをやろうと思ったきっかけについて教えていただけますか?
私たちは、ただ「やりたいからやっているだけ」ですが、それに対する応援はとても嬉しいですし、もっとそういうのが応援される社会になればいいなと思い、自分たちの考えを広めるためにクラウドファンディングをやろうと思ったんです。
こういう活動をしていると「なんでカンボジアなの?」などと色々言われるんですが、「やりたい」っていう気持ちで誰かが幸せになったり自分たちが楽しいならそれだけで尊い理由だと思うので。
開始後たった16日で、目標の150万を達成したのは本当に驚きましたね、ありがたいことです。
「やりたいからやる」を応援する社会に、という考えへの共感の証として、みなさん支援してくださるのだと思いますので、結果的にお金を集める手段としては考えず、あくまで自分たちの考えを広める手段と考えています。
-資金150万円を集める手段というより、自分たちの考えを広めるイベントとしての色が濃かったということですね。
そうですね。実はちょうど開始から15日目にミーティングをした時、ちょうど半分の75万集まっていたのですが、その時私たちも目標を見失っていて、お金集める方向にばかり考えて「次の1週間で何としても25万集めたいよね」となっていたんです。
その時副代表が、それは自分たちのやりたい事とは違うよねって言ってくれて。そこで、目標を「1週間で25万」から「1人当たり1日2人にPumpitの情報を何か発信して何か幸せを与える」というのを目標にしたら、次の1日で75万円も集まりました。
これは偶然もあると思うんですけど、でもこういう考え方って大事だと思います。次の目標はお金ではなく、残りの期間で現在4,000人が見てくれているページを1万人に見てもらおう、ということに決めました。こちらの方が私たちらしくていいな、と。
その結果、現在、クラウドファンディングでは当初の予定を大きく上回る190万円近く集まっているので、その余剰分を何に使うかすごく考えています。
責任を持って使わないといけないですし、みなさんカンボジアのためにお金をくださっているのでカンボジアのためには使うんですけど、その中でも不必要なものをあげる支援やお金をポンとあげる支援はしたくないな、と思っています。
何が一番私たちのためで子供達のためになるのか、今しっかり考えてちゃんとご報告しようと思っています。
>> 次頁「「国際協力は恋愛だ!」自分が幸せになることで誰かを幸せにする生き方。」
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