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<デザインプロジェクト>伝統工芸×学生が生み出す、新たな波。(第一回)

Writer|ビックイヤー編集部 Writer|ビックイヤー編集部
  • 読了目安時間:3分
  • 更新日:2018.9.4

伝統工芸である鬼瓦を手がけてきた、美濃邉鬼瓦工房。古くから継承されてきた技と想いを、京都大学インカレサークルKeyElementと京都市立芸大の学生たちが現代のプロダクトに昇華させるプロジェクト「MINOBE DESIGN PROJECT」。第一回は本プロジェクトの目的や打合せの様子をご報告させて頂きます。

Keep up tradition. But 「Re:think」.

伝統工芸の技と想いを未来に繋げたい。だからこそ、現代の暮らしに寄り添うプロダクトを、「アイデア」と「デザイン」で創出する。

約1,400年前、飛鳥時代―。日本に伝えられた瓦はその機能性だけでなく、造形の美しさもあり、建物の邪気を払う魔除けとしても重宝されてきました。

しかし時代の変化とともに、既存の瓦文化は少しずつですが、確実に衰退してきています。

大正6年の創業より約100年間、伝統的な製法を守り、清水寺をはじめとする名だたる寺社仏閣の文化財を修復してきた美濃邉鬼瓦工房。(美濃邉鬼瓦工房の主だった制作実績

「MINOBE DESIGN PROJECT」は、瓦文化の守り手である彼ら鬼師と共に、現代の暮らしに合った瓦プロダクトを生み出し、瓦文化をアップデートすることを目指すデザインプロジェクトです。
※鬼瓦を専門に作る職人のこと、鬼板師(おにいたし)とも呼ばれる

現代の暮らしに合った瓦プロダクトを生み出すため、プロダクトのデザインは京都市立芸術大学の現役学生が手掛けます。これは、彼女ら自身の日常に溶け込む瓦プロダクトこそ、本プロジェクトが目指す1つのカタチだからです。

何百年と受け継がれてきた鬼師の技と想いに、彼女らの感性が働きかけることで良い化学反応が起こることを期待しています。

デザイン制作を進めるにあたり、今年の春先、学生と共に滋賀県にある美濃邉鬼瓦工房を訪問させて頂き、実際の鬼瓦を確認させて頂きました。

そこには人の大きさほどある巨大な瓦から、繊細に細工を施した狛犬、一見して分からないが、古くから伝わる技巧を散りばめた作品などが多数並んでいました。

2時間程の見学の間、学生からは瓦の強度や薄さの限界、特性などについて多くの質問がなされ、鬼瓦についての理解を深めました。

工房にはデザインした土を焼入れるための大きな窯もあり、その大きさは人間が容易に中に入れるほどでした。この窯の温度調節は非常に難度が高いそうで、繊細な調整が必要となるため、窯入れの間は寝ずの番をして窯の中の温度を最適な状態に保つそうです。

彼女らがデザインしたプロダクトが焼き上がることを想像しつつ、一つ一つアイディアをカタチにしていきたいと思います。

今後も定期的に本プロジェクトの進捗をお届けできればと思いますので、ご期待ください。

 

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