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0コンマ数秒の究極の世界「競技かるた」。その躍進に尽力する京大生の想い。
Writer|土井 祐弥 |
- 読了目安時間:7分
- 更新日:2019.1.25
細辻あおい。京都大学文学部3年生。「ちはやふる」で一躍人気を博した“競技かるた”の虜になり、現在、関西地区大学かるた連盟の会長を務める。競技かるたの面白さ、そして一気に増えつつある競技人口への想いと課題についてお伺いしました。
「0コンマ数秒の世界」で競い合う、かるたの世界。
-本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。まず初めに、今やられているかるたの活動について教えてください。
もちろん細々とした仕事はあるんですが、関西地区大学かるた連盟の会長として、1番大きな仕事は8月に行われる全国かるた選手権の開催ですね。映画「ちはやふる(原作:末次由紀 講談社)」の影響もあって年々参加者が増えていて、今年は会場数もかなり増やさないと対応出来なさそうです。
-実際、どれくらい参加者が増えたんですか?
2017年度が参加者800名くらいだったんですけど、2018年度が1,100名くらいになって、これではもう今の会場やスタッフ数では賄えないと。2019年度は会場の近江神宮勧学館に加えていくつかの施設も借りる予定です。
ちなみにこの近江神宮勧学館は、ちはやふるの舞台にもなった場所で、かるた日本一を決める名人戦・クイーン戦が開催される場所でもあります。
-近江神宮で開催するのはなにか理由があるんですか?
天智天皇が近江神宮に祀られているんですが、百人一首の第一番「秋の田の仮庵の庵の苫をあらみ~」を作った人でもあるんです。その天智天皇を祀っている近江神宮がかるたの聖地として認知されていることから、ここで大会が開催されています。
大会は細かくクラス分けをしていまして、新人戦から回生ごと、4回生以上、それから大学代表の部、これが個人戦です。大学ごとの団体戦は1日目に行われるんですが、こちらはクラス関係なく、まさに大学の“最強”を決めるので、かなり白熱します。
-団体戦って何人対何人でやるんですか?
大学選手権においては3対3ですね!(他の団体戦では5対5などもあります)
同時に横並びに3人が並んで対戦大学の3人と戦うので、先に一人勝ったりすると「よっしゃ!」みたいな。団体戦は掛け声が出来るので、活気がありますね。
-かるたのルールって意外と知られてないですよね。
まず競技かるたの基本は一対一ですね。それで、百人一首は百首なので100枚のかるたを全部だして裏向けにして混ぜます。そこから25枚ずつ取り、残りの50枚は片付けてしまいます。(100首読まれるので50枚は空札)
そしてこの25枚は「好きなように」縦3列に決められた幅87センチの中(自分の腕を使って幅を測ります)に並べていきます。
好きなように並べると言っても、自分の中にそれぞれ得意な定位置があるんですよ。例えば決まり字の数とかで、“あ”から始まる札はこっちに置こう、とか戦略を練って並べるんです。それが終わったら、15分間の暗記時間になりますね。
暗記時間では、自分の札もそうですが、当然相手の札も覚えます。
-相手の1列目って手届きますか?
えーと、そうですね、普通に伸ばしても届かないですから、体ごとバッと飛び込んで・・。
-だからあんなに動きが激しいんですね!
そうです。笑 1字決まり2字決まりだと、0コンマ何秒の世界ですから、格闘技と言っても過言じゃないですね。
それで自分が札を取るか相手がお手つきをすると、相手に自陣にある札を1枚送る事が出来ます。それが無くなり0になった方が勝ちです。
>> 次頁「「ちはやふる」から始まった、競技かるたの道。」
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