社会人インタビュー
いきものが宝物に変わる瞬間を。環境保全にイノベーションを起こす、その想いと戦略とは。
Writer|木原 弘貴 |
- 読了目安時間:7分
- 更新日:2019.7.18
藤木庄五郎(しょうごろう)、京都大学大学院博士号(農学)取得、株式会社バイオームCEO&Founder。今年4月にリリースした“いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」”が累計5万ダウンロードを突破(2019年6月末)。京都市ベンチャー企業目利き委員会よりAランク認定を受け、京信イノベーションCファンドの投資案件第一号にも採択された注目のベンチャーが目指す『生物多様性の保全』とは?
生き物版 “ポケモンGO”!?
-本日はお忙しい中、お時間を頂き誠に有難うございます。早速ですが、株式会社バイオームとはどういった会社なのでしょうか?
弊社は「生物多様性の保全」を目指すベンチャー企業です。今年4月にリリースした“いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」”の開発元と言った方が、理解が早いかもしれません。
注:いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」
Biome(バイオーム)は日本国内のほぼ全種(約6万6000種)の動植物を収録したいきものコレクションアプリです。最新の生物名前判定AIを備えているだけでなく、図鑑・地図・SNS・クエストなどいきものにまつわる様々な機能を備えています。このアプリを使って、今まで何気なく見過ごしてきた身近な生きものたちに目を向けてみてください。きっと現実世界がゲームのように面白くなるはずです。
(引用元 いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」4/26(金)よりリリース解禁)
-既に累計1万2千ダウンロードを突破されている注目のアプリですね。(取材は2019年6月)
お陰様でご好評頂いています。
このアプリはそれ自体での収益化を目指す事業ではなく、コンシューマーに向けた啓蒙活動と生物データの収集のために取り組んでおり、無料でご利用頂けます。
《ダウンロード》
・iOSはこちら
・Androidはこちら
-“生物名前判定AI”と謳われていますが、写真から自動で、その写真に写っている生物の名称を特定できるということでしょうか?
はい、その通りです。現在、日本国内のほぼ全種(約6万6000種)の動植物に対応しています。
-全種とは凄いですね。そこまで対応しようとすると開発はかなり大変だったのではないでしょうか?
仰る通り、大変でした。
もちろん「まずは昆虫だけに絞って開発した方がいいのでは?」などのご意見を頂戴することもありましたが、生物の多様性を守ることを事業目的としているバイオームのアプリが、開発が大変だという理由で、欠けている生物がいるのはおかしいと考え、妥協せずに対応しました。
-なんだか執念のようなモノを感じますね。
生物の多様性を扱うということは「全ての生物を見ること」と同義だと考えており、このアプリを通して、そのことを少しでも伝えられればと。
-Biome(バイオーム)アプリは“啓発活動”も目的の1つとのことですが、具体的にはどのようなことを啓発していきたいと考えておられるのでしょうか?
生き物それ自体を“価値”として捉える感覚を広めていきたいと考えています。例えば、自分の部屋の壁に蛾が止まっていたとして、大抵の方はその蛾を追い出すか、スルーするかのどちらかだと思います。
それがBiome(バイオーム)アプリを手にすることで、「あ!蛾がいる!ラッキー!」となり、その蛾を写真に収めようとしてもらえる、まるで「蛾、ゲットだぜ!!」というように。笑
このようにBiome(バイオーム)アプリを通して、今まで見向きもしなかった生き物が、自分の中で宝物に変わる瞬間を体験してもらいたいと考えています。
>> 次頁「バイオームは、生物に特化したGoogle。」
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