spotlight
日本で起きていることを、世界中のオーディエンスと繋げられる国際ジャーナリストに。
Writer|島谷 あかり |
- 読了目安時間:10分
- 更新日:2017.12.5
京都大学法学部4回生。16歳の時に出会った新聞記者の言葉を胸に、日本の高校を1年で中退。イギリスの高校に通い、京都大学法学部へ。一見華々しい人生を送る彼女だが、多くの失敗に泣いた過去があった。彼女が目指す、未来とは-。
高校中退、そして海外へ。
ライターの島谷(京大3年)です。私には、かねてより気になる先輩がいます。同じゼミに入っていて何度かお話しさせて頂いたのですか、個性が強い人が多いと言われる京大の中でも飛びぬけた存在です。そんな先輩も、もう少しで京大を卒業されます。そこで思い切って“これまでの彼女”をインタビューさせてもらうことにしました。
1年での高校中退と海外留学、京大受験やなぜジャーナリストを目指すのか等々、彼女の大胆でパワフルな行動の裏にある“モノ”がなんなのか、根掘り葉掘りお聞きしていますので、じっくりとお楽しみください。
-お久しぶりです!前期はゼミでお世話になりました。今日はよろしくお願いします。早速ですが、先輩はそれまで通っていた高校を中退し、ウェールズの高校に再入学したそうですね。なぜこの決断に至ったのですか?
私は高校2年の夏休みに、それまで通っていた地元の高校を中退する決心をしました。そこから私は、全寮制のイギリスのインターナショナルスクールに留学し、家族と離れて暮らしました。日本の高校での生活も楽しかったけど、自分の知らない世界を体験してみたかったんです。
留学先のインターナショナルスクールはとても特殊な環境で、世界97か国から学生が集まっていました。アラブの石油王の息子に、パレスチナ難民。エチオピアのマラソンランナーに、デンマークのプロミュージシャン。人種、文化、思想、宗教、経済的ステータス、すべてが自分と異なる友達と2年間寝食を共にしました。
中には、想像できないような壮絶な過去を持った友人もいたんです。爆撃で父親を亡くしたイスラエル人や、AIDSで両親を失ったカンボジア人。こういった友人と出会うたび、同じ17歳が自分の知らない感情を背負いながら生きていることに強いショックを受けたのを覚えています。
人口よりも羊の数が多いような、ウェールズの田舎で、私は朝から晩まで、彼らと自分の家族や将来の話をしました。
そんな日々を繰り返すうちに、私は気づいたんです。育ってきた環境はみんな全然違うけど、平和な生活を願う気持ちとか、家族や友人を思いやる気持ちとか、そういう本質的な部分は一緒なんだなって。そう思うと、国籍も言語も、表面的な些細な違いに過ぎないのかな、って思えてきて。世界中の人がこういう気持ちを持ってお互いに寛容になれたなら、世界は幸せな場所になるんじゃないかな、っていつも思いました。
あ、余談ですが、私英語ものすご~く苦手なんですよ!今も留学生に笑われるレベルです。小学生の頃からかなり一生懸命勉強してきたつもりだったんですけどね。いざ留学してみるとそれはひどいもので、初日の自己紹介ゲームの最中に会話が怖くなって部屋にこもって泣いていたのが懐かしいです笑 まあ、言語なんて伝わればいいんじゃないですかね。
-そうなんですね。そんな海外の高校でのびのびと勉強されていた先輩ですが、今は京都大学に通ってらっしゃいますよね。海外の大学に進学することは考えなかったのですか?
ずばり落ちたんですよ笑 本当はロンドン大学で環境地理学を勉強したいと考えていました。奨学金ももらえることもすでに決まっていたんですが、試験に1点足りずに落第したんです。人生終わったな、と思いましたよ。ショックで一か月で7キロ痩せました。イギリスの2年間で14キロ太ったんで、まあ楽してダイエットできたと思えばいいんですが。笑
-7キロですか?それはさぞかしショックだったんでしょうね。では、数ある日本の大学の中でなぜ京大を選んで受験したんですか?
ロンドン大に落ちたのは7月で、行き場を失った私は日本の大学を探し始めました。しかし、当時は今より帰国入試の制度が複雑で、私の条件で受験できる大学はかなり少なかったんですよね。国立は特に、京大くらいでしたよ。
それで7月からは予備校に通って、2月の試験に向けて猛勉強しました。京大は、当時法学部と経済学部で帰国入試を実施していたのですが、もともと地理学志望だった私は、学部すら自分で選べず、予備校の先生に決めてもらいました。
当時は何しろ自暴自棄で、自分の将来なんてどうでもいいや、と思っていたんですけど、勉強しているうちに京大のことどんどん気になってきちゃって。入学してから総人に転学して地理学をやろう、と思って受けたんですよ。2年後、総人転学作戦は大失敗するんですけどね笑。
>> 次頁「自由すぎる京大で、思う存分動き回った大学生活。」
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