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向こう見ずなかっこよさを。“異質”な学生がクラウドファンディングで切り拓く道。

Writer|美馬 翔希
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2018.10.25

ポジティブな異端児であり続けること。

-大学生活4年間を強く体現したテーマなんですね。それにしてもチャレンジングなテーマだと思うのですが・・・。

すごく難しいと思います。そもそも”侘び寂び”という概念自体が言語化しづらいので本を読んで勉強したり、それでもよくわからなくて銀閣に赴いたりしました。結局、それらを研究することで、感覚的に理解するしかなかったですね。

テーマ発表の場でデザインの先生方全員の前でこのテーマを発表したところ、かなり好奇な目で見られました。当然、懐疑的な意見の先生もいらっしゃって、「そもそも”侘び寂び”は現象であり、思想だから、難しいんじゃないかな。」とご指摘をいただきました。でも裏を返すと、それだけのことにチャレンジする、そのことに意味があると思っています。

-なぜそのように困難な目標に挑戦しようと考えられたんですか?

理由としては、「失敗してもそれを生かしてやろうという考え方」と「貪欲な承認欲求」が大きいと思っています。1つ目は、失敗してもプラスに働くようなプランを考えていることですね。

例えば、学祭終わりのアフターパーティの集客のために、代表としていろんな人に取材して、それを広告風にインスタグラムに上げ続ける活動をしていました。周囲から見るとイタい挑戦でしたが、失敗してもこれは就活の時のポートフォリオに載せてプラスにしてやろうと思ってやっていました。

結果的に、あまり人は集まらなかったんですが、内定先ではそのポートフォリオの評判がかなり良かったんですよ。結果は失敗でしたが、その失敗がプラスに働くこともあると考えることで、過剰にリスクヘッジせずに動いていけるところが理由の1つだと思っています。

2つ目は承認欲求ですかね。でも多分僕の承認欲求は、自分の良い部分を見て欲しい承認欲求というものではなく、どんな形でも前に出たいと思うところが他の人と異なる部分であると思います。良い悪いはさておき、絶対値が大きく振れているイメージです。異質という言葉がしっくりきますね。

卒業制作を、クラウドファンディングを使ってやろうとしていること自体、異質です。それで仮に失敗しても異質です。異質であれば誰でも目を向けますよね。それを以って僕の承認欲求は充足します。

ただ踏み出さないと、どうやっても異質にはなれないです。だからこそ困難なことに挑戦していこうと思いますね。

-それだけチャレンジングなテーマであれば相当の金額も必要ということでクラウドファンディングをされているということですか?

お金も当然理由としてあります。素材にはかなりお金がかかるので。

ただ、お金よりも上で述べたような挑戦し異質であり続けたいというところが大きいです。加えて、僕と同世代、下の世代の方に、今まで目を向けてこなかっただけでやり方はいくらでもある、と提案できたらいいなと思うんですよね。

クラウドファンディングも最初はただの思いつきです。実行に移そうと思った理由は、誰でも夢を手繰り寄せることができるツールだからです。選択肢として知れ渡ってはいるけど、誰も手を出しません。『自分とは無縁のもの』という意識を持たれているツールの代表格かなと思っています。

やりたいことはあるものの、気づいていない、もしくは敬遠してしまっているだけで自分の夢を狭めてしまっている人がいるなら、新しい方法を示す感覚で、希望を持ってもらえるような前例を作りたいと思っています。

自分のような学生がクラウドファンディングに挑戦することで、学生だってこれくらい目指してもいいんじゃないかな、ということを示したいと思っています。これがクラウドファンディングの大きな目的ですね。


>> 次頁「第一線を見据えて、『かっこいい』挑戦を。」

 

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