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社会人インタビュー

振り売りで伝える野菜の価値。生産者と消費者をつなぐ若手事業家の歩み。

Writer|ビックイヤー編集部 Writer|ビックイヤー編集部
  • 読了目安時間:11分
  • 更新日:2019.3.18

京都の地野菜を移動販売するGg’s代表 角谷香織。京都の農家に伝わる伝統的な販売方法である振り売りにこだわり、生産者と買い手をつなぐ。京都大学大学院工学研究科建築学専攻 修士課程修了という輝かしい学歴を持つ彼女が如何にして、野菜の販売に携わるようになったのか、その想いをお伺いしました。

お得意さんのお宅を一軒一軒回る。

-本日はお忙しい中、お時間を頂き誠にありがとうございます。早速ではございますが、現在のお仕事内容からお伺いしてもよろしいでしょうか。

『Gg’s』という屋号で京都の地野菜の移動販売、“振り売り(ふりうり)”をしています。

-振り売りとは?

もともとは京都の農家さんが採れたての野菜を、リヤカーやトラックの荷台に積んで、お得意さんのお宅を一軒一軒回り販売する商いのことです。

-自身で農作物を作ったりはされていないのでしょうか。

提携先の農家さんのお手伝いなどをさせて頂くことはありますが、私は基本的に販売(小売り)のみになります。

-なぜ、野菜の振り売りを始められたのでしょうか。

まずひとつは、東日本大震災がきっかけで福島を訪れていたことがあったのですが、そこで出会った農家さんたちの影響が大きかったと思います。

その頃の私の農家さんのイメージは、おじいちゃん、おばあちゃんが畑で作った農作物を農協などの大規模流通に流す、という生産者としてのイメージしかなかったのですが、そこで出会った農家さんは自分たちが育てた採れたての野菜を車に積んでガレージなどに集まって、自分たちで朝市ならぬ「夕市」を開催されていました。

地域の方々と楽しそうに交流しながら、時にネット配信も取り入れユニークに販売をされていたんです。

-消費者の方に直接販売されていたのですね。

当時、私は福島でチャリティーライブのお手伝いをしていたのですが、その夕市からは音楽イベントと同じような雰囲気が感じられて、純粋に面白いなと思いました。

そこで各所と調整し、チャリティーライブの会場に農家さんに車ごと野菜の販売に来ていただいたんです。

これが野菜の販売に携わった最初の最初だと思います。

そこから福島の農家さんとの交流が増え、彼らの情報をSNSなどで発信するようになったのですが・・・

-なぜ、情報発信を始めようと思われたのでしょうか。

ひとつは私が体感した福島が思っていた以上に元気で、魅力的な場所だったということです。

また福島の農家さんは風評被害などもあり、野菜がリアルに売れず、凄く大変な時期だったはずなのですが、実際に現地で農家さんとお話していると、「確かに風評被害は大変だけど、それはこれまで自分たちが大きな流通に頼って、食べる方との信頼関係の構築を他人任せにしていたのが原因。なので、これからはお客さんの顔が見えるカタチでの販売も頑張っていくだけ。」と前向きな考えを持たれている方もいて、『この状況で、そんな風に考えられるのは本当に凄いな』と衝撃を受けました。

そして、こんな凄い考えを持って頑張っておられる農家さんがいることを、現地に来られない人々にも知って欲しいと思い、当時普及しだしたSNSを使って発信を始めました。

-SNS上での反応はどうでしたか。

しばらくすると私の地元である京都の方から福島の農家さんの野菜を買いたいという反応を頂くようになりました。

このような反応を頂けたことが嬉しく、せっかく出来た縁なので、京都で福島の野菜を試しに販売してみたり、食事会を企画するようになりました。

-福島産の野菜を京都で販売されていたと。

はい。

福島のお野菜に触れるようになったことで、自然と地元の京都の農家さんにも目がいくようになり、今度は京都の農家さんの畑仕事などをお手伝いさせて頂くようになりました。

お手伝いをさせて頂く中で、農家さんから振り売りという販売方法があることを教えて頂いたのですが、『これは面白そうだな』と直感的に思い、農家さんからの勧めもあったので、私自身も振り売りを始めました。

なので、初めから野菜を売ろうと始めたことではなく、農家さんのことを伝えようと思って、情報発信を始めたら、いつの間にか販売にも携わるようになったという感じです。


>> 次頁「アカデミアでは学べない。」

 

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