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社会人インタビュー

振り売りで伝える野菜の価値。生産者と消費者をつなぐ若手事業家の歩み。

Writer|ビックイヤー編集部 Writer|ビックイヤー編集部
  • 読了目安時間:11分
  • 更新日:2019.3.18

フリーランスは人の縁が大事。

-福島での農家さんとの出会いから始まり、最終的に野菜の振り売りをされるようになられたとのことですが、大学もしくは大学院時代に就職活動などはされなかったのでしょうか。

大学院の時に就職活動をし、実はサイバーエージェントに内定をいただいておりました。

当時は広告代理店で働きたくて・・・

-それは、なぜでしょうか?

価値あるモノに付加価値を付けてPRするというのは、凄く素敵な仕事だなと思ったのと、広告業界の方は人間力のある方が多いなと感じていて、私もその中で仕事がしたいと思いました。

電通やADK(アサツー ディ・ケイ)なども受けていましたが、特にサイバーエージェントは京大出身の方も多く、人事の方も憧れるような素敵な女性の方で、ここで働きたいと思って。

-でも、最終的にはサイバーエージェントに入社されなかったんですよね。

はい。

先ほどもお話した通り、私が大学院1年生の冬に東日本大震災が起き、少し落ち着いた春以降に私も現地でチャリティーライブのスポンサーさん集めなど、色々な活動をさせて頂いていました。

その中で、フリーランスや個人の会社を経営されている方々を目の当たりにする機会も増え、私の中で就職以外の道も身近な選択肢の1つになっていきました。

また、東日本大震災をきっかけに、“これからの働き方”が世間的にも注目され始めた時期で、安藤 美冬(あんどう みゆふ)さんや、家入 一真(いえいり かずま)さんが世に出てきた時期でもあって、私も内定をいただいておりましたが、卒業後のことをもう一度、色々と考えるようになりました。

-確かに、そのような時期でしたね。

一方で内定後は研修や内定式などもあり、会社に触れる機会が増えた時期でもあったんですね。その中で、正直ちょっと合わないのかもと思う瞬間もあって・・・

-それは、どのような瞬間でしょうか。

面接を受けている時は、人事の方と価値観が合うな、空気感が合うなと感じていたのですが、いざ研修や内定式で同期になる方々と接した際に、どこかうまく馴染めないような気がしてしまったんです。

今でもサイバーエージェントは凄く良い会社だと思いますし、会社のビジョンには共感していましたが、福島での経験もあり、仕事に対する考え方も少しずつ変わっていく中で、正直迷いが生じてきました。

-サイバーエージェントに行くかフリーランスとして活動していくか、という迷いでしょうか。

そうです。

そして大学院2年生の年末、もう少しで卒業というタイミングなのですが、師事しているプロデューサーの方から「フリーランスでやるためには人の縁が凄く大事。これまでアシスタントをしながら築いてきた京都や福島での縁を生かすことを考えるべき。」と言われ、「就職後に然るべきタイミングで独立するというのも1つの道だけど、いずれ自分で仕事をつくっていきたい想いがあるなら、まずはフリーランスとしてチャレンジしてみて、ダメだったら、そこから就職という道もある。」、「失敗するなら若いうちがいいし、その失敗は貴重な経験として次に活かせるはずだ。」と言われ、『確かにそうかも』と考えるようになりました。

当時は、まだ野菜の振り売りをしようとか、全くなかったんですが、自分の事業をゼロから作っていくチャレンジをしてみようと決心し、サイバーエージェントには辞退したい旨をお伝えしました。

-すんなりと辞退出来たのでしょうか。

もちろん面談の機会を設けて頂き、人事の方と話し合いをさせて頂きました。

面談で私の考えを伝えると、人事の方からは最初「ダブルワークとしてやる方法はないの?」や、「東京勤務ではなく、大阪勤務なら京都からも近いからどう?」といったご提案を頂けたのですが、私は器用な人間ではないので、それだとどっちもダメになりかねず、会社にも迷惑をかけてしまうかもしれないと思い、正直にお伝えしました。

元々、独立する方も多い会社なので、個人の意思を尊重して下さる社風というか、理解もあって、無理やり引き留めようとされることはなかったです。


>> 次頁「振り売りは現代でも通用する合理的な流通システム。」

 

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