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楽単情報だけじゃない!京大知名度No.1情報誌の知られざる裏側《後編》
Writer|塩田 かりん |
- 読了目安時間:9分
- 更新日:2019.5.9
花谷宙樹、京都大学経済学部3回生。京都大学で圧倒的知名度を誇る情報誌「Chot★Better(チョットベター)」の前代表&営業。実は昨年第4回学生団体総選挙フリーペーパー・ウェブメディア部門で部門グランプリを獲得したChot★Better。大きく前途が開いた中で、Chot★Betterが見据える未来とは?知られていない営業の仕事についてお話を伺ってきました。(前編はこちら)
ちょべたが”無料”で 配れるワケ。
-本日はお忙しい中お越しいただきありがとうございます。早速インタビューを始めさせていただきたいと思うのですが、まずはChot★Betterの基本的な情報を教えてください。
Chot★Betterは京大生が作るフリーペーパーです。2005年に始まって、今年で16年目になります。
「あなたの学生生活をチョットお得にするおもしろ情報誌」というコンセプトの下、履修情報やサークル情報、メインとなるおもしろ記事など、自分たちのやりたいページを作っています。
-Chot★Betterはフリーペーパーなわけですが、なぜ無料で配布できるのでしょうか?
飲食店や企業さんから広告費をいただいているからです。そのお金で印刷費をまかなっています。
-実際にはどのように広告を取ってこられるのですか?
まずは電話して、話を聞いてくださるということだったら実際に出向いて交渉します。交渉の際は企画書を用意して、Chot★Betterに今どれだけの知名度があるか、どのくらいの部数を配っているか、というのを説明した上で、広告を出していただけるか判断してもらっていますね。
基本的に京大周辺のお店にお願いすることが多く、Chot★Better内の営業という部署がこれを担当しています。
近年だと、京都に限らず名前を売りたい人や企業さんの広告を載せることもありますね。
-でも広告を取るのってめちゃくちゃ難しくないですか?
めちゃくちゃ難しいです。
-学生の作る冊子の場合、「応援したいな」という気持ちで広告を出してくださる場合もあると思うのですけど、Chot★Betterは完全にフリーペーパーなので、応援したいというよりは広告効果という面で判断されるのかなと思ったのですが。
そうですね。お店の方もどっちかっていうと費用と効果をちゃんと考えて決めている感じがします。
たとえば体育会系の団体も、飲食店などの広告を載せた部活動紹介の冊子を発行しているのですが、そういった冊子だとお店との関係が長くて、ずっと5000円で広告を出してもらっていたりするのですね。
でもChot★Betterの場合はお店側が納得するような条件を出さないといけない。だから僕らは値切ったりトークを頑張ったりします。
-かなり頑張らないと受けてもらえませんよね。
そうですね。僕もラーメン屋さんで1時間粘ったことがあります。
-えー、すごいですね!
お話を聞いてくれるってことだったので、ラーメン屋さんまで直接行きました。そこは体育会系の団体と提携しているところで、その団体に対しては応援の気持ちで長年広告を出されていたのです 。
でも僕らに対してはすごく慎重で。
-ちなみに広告費はどのくらいなのですか?
飲食店の広告サイズの6分の1ページだったら1万円、1ページまるまる広告を載せるとなったら5万円です。
この値段に関しては、結構反応が違いますね。1回も広告を載せたことがない飲食店さんとかだと「ちょっと高いな」って言われたりするのですけど、たとえばよく広告を打たれている企業さんだったら、普通こういうフリーペーパーに広告を載せると30万円くらいかかったりするので、「5万円なら喜んで出す」という感じでお金を出してくれることが多いです。
-粘ったラーメン屋さんは何が決め手になって快諾してくれたのでしょうか?
丁寧に説明して、「僕も食べに行きます」って言ったら受けてくれました(笑)
それから、かれこれ2年広告を出していただいているのですけど、今では一番クーポンが使われるお店になっています。
-ちゃんとお店との関係性を築いているのですね。
店主さんが仲良くなったらめちゃくちゃ仲良くしてくれるタイプなので、だんだん僕らのことも好きになってくれて。今では、これからも長いお付き合いをしてくれるのではと思っています。
-営業部は花谷さんと何人かでやっていたのですか?
そうですね。僕は営業のトップではないのですけど、2学年合わせてだいたい15人くらいでやっていました。
-私の勝手な感覚で、働くときに「営業をしたくない」という人が多い気がするのですが、花谷さんはどうでしたか?
僕はChot★Betterっていうサークルに入りたかっただけで、文章が書きたいとか、冊子を作りたいっていう気持ちは強くなかったのです。だから別に営業でいいかなって。
喋ることは好きだし、何の抵抗もなく営業に入りましたね。将来の仕事にしたいとは思わないですけど、自分のトークで結果が変わったりするので楽しいです。
>> 次頁「部門グランプリ受賞。迎えた大きな転機。」
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