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社会人インタビュー

パズルと論理的思考力の不思議な関係を『ビラがパズルの人』に問う。

Writer|小林 亜湖
  • 読了目安時間:10分
  • 更新日:2019.5.29

パズル教室が可能にする教育。

-『京大東田式パズル教室』ではどのような授業をされているんですか?

パズルを通して言葉やことわざ、漢字を覚えてもらえるように、学年に合わせた内容で作ったパズルを、生徒さんに解いてもらうようにしています。もちろん、予備知識がなくても解けるのがパズルですので、ことわざは知らなくても、日本語の仕組みからある程度答えがわかる仕組みになっています。今は少人数なので難易度も一人一人に合わせてやっています。

もちろんパズルの形式自体も、単純な問題から徐々に難しくしていって、思考力を引き出せるような仕組みになっています。そして頑張って解けたら、一緒に喜んであげて花丸をつけてあげる。しっかり「考えた」、ということに対して褒めてあげる、という形を取っています。そうすることで子ども達に、考えることが良いことなのだと学んでもらえるようにしています。

今は子供たちに向けた教室しか開いていないのですが、5月には(取材は2019年4月)大人向けの教室も開こうと思っているんです。大人にも、定期的にしっかり考える、という体験をしてもらうことで、認知症の予防にもなったりすると思っています。

あとは就活生や社会人にむけて、社会において必要な「論理的思考力」をしっかり鍛えてもらうということも目指していきたいですね。パズルで得られる論理的に物事を考える力、というものは、どのような分野にも応用可能ですし、且つ、社会を生きる上でとても重要な能力だと思うので。

-教室にいろいろな知育玩具系のパズルが置いてありますが、これも授業で使われていたりするのですか?

そうですね。暇な時間にやってもらって、パズルでどこまでの難易度の問題を解くことができたかの進行度を紙につけてもらうようにしています。パズルは紙面上のパズルだけじゃなく、立体物に触れてパズルを解くということもとても良い経験になると思っています。

個人的な体験にはなるのですが、「タングラム」というパズルがありまして。

大きな正方形が三角、台形、平行四辺形などいくつかの小さなピースに切り分けてあり、それを用意された正方形の枠にいろいろなパターンで当てはめる、というシルエットパズルなのですが、このパズルで衝撃を受けたことを今でもよく覚えています。

-どのような体験だったのでしょうか?

幼稚園の頃、通っていた知育教室でこのパズルをやっていた時のことなのですが・・・

一定のピースの配置が指定されて、余ったピースで空白を埋めて正方形にしていたんですが、その時どうしてもできない問題がありまして。

いろいろ悩んで工夫してみたんですが、どうしてもできなくて。ほとんど完成しているのになかなかうまくはまらない、ということでずっと悩んでいて。

そしたら先生がやってきて、平行四辺形のピースを裏返したんですね。

線対称な図形は、裏返しても形が変わらないんです。でも平行四辺形だけは線対称ではなかったので、裏返すことで形が変わるんです。 もちろん詳しい図形の仕組みは後から学んだのですが、裏返すと形が変わる図形がある、ということを幼稚園の時に気付かされたんですね。当たり前のことなんですが、このように実際に自分の手を動かすことはとても大事なことだと思います。

パズルを通した遊びの中で、とても大事なことを学んでいける、それがパズルの最大の魅力ですね。


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