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社会人インタビュー

いきものが宝物に変わる瞬間を。環境保全にイノベーションを起こす、その想いと戦略とは。

Writer|木原 弘貴 Writer|木原 弘貴
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2019.7.18

本気で社会を変えたいなら、「お金が儲かる」は外せない。

-そもそものお話になるのですが、なぜ「生物多様性の保全」を事業目的とする会社を創業されたのでしょうか?

幼少より、環境問題に対して強い関心を持っていたことが一番の理由ですね。

-環境問題に関心を持たれるようになったキッカケなどはあるのでしょうか?

小学生の頃に「世界の砂漠を緑に」という本に出会ったことがキッカケです。

この本は、鳥取大学の遠山名誉教授が砂漠を緑化することに人生を捧げているというお話で、子供ながらにその姿に憧れを抱きました。

そして自分も「環境保全に関わっていく生き方をしたい!」と思うようになり、京都大学農学部に進学、環境を網羅する「生態系」についての研究を行い、バイオームを起業するに至ります。

-環境問題に取り組む場合、NPO法人や民間企業の中でもCSR活動など直接的には利益を生まない領域で活動することが多いと思いますが、営利を目的とする企業の主事業として環境保全に取り組まれているのはなぜでしょうか?

身も蓋もないお話ですが、お金(営利)が現代人を最も効率的・効果的に動かすモチベーションの1つだと考えているからです。

-そのように考えるようになられたのは、なぜでしょうか?

修士学生の時に、研究のためボルネオ島で2年間過ごしたことがあるのですが、その時の経験が強烈な原体験となっています。

ボルネオ島はアマゾンかボルネオかと言われる程、すごく生き物の豊かなところで、生物のホットスポットとも言われています。

しかし、私が現地で目の当たりにしたのは、大規模な森林伐採など強烈な環境破壊が行われている現場でした。その中でも一番衝撃を受けたのは、360度見渡す限り全てを伐採され、更地になった場所でした。

そこに立ち、地平線を眺めていると、「本当にとてつもない人間のエネルギーが、この大地に注がれたんだな」と実感せざるを得ませんでした。少し語弊があるかもしれませんが、仮にその場で戦争が起こっても、そうはならないのではないかと思える程、強烈かつ徹底した破壊でした。

この破壊を引き起こした人間の動機をシンプルに言うと「(森林を伐採すると)お金が儲かる」というモノです。

つまり、現代人にとって「お金が儲かる」ということは、良くも悪くも人を動かす大きなモチベーションであり、この事実に着目することで、これまで環境保全団体の皆様や世界中の非営利団体、その他すべての環境保全に関わってきた方々の知恵や努力を活かした上で、多くの人に行動変容をもたらす、つまり社会を変えることができるのではないかと考えました。

そこで、営利企業として「環境保全≒お金が儲かる」という仕組みを構築し、これまで破壊に注がれてきた人間のエネルギーを、今度は環境保全に注がれるように変革していきたい、これが営利企業としてバイオームを起業した理由です。

-綺麗ごとだけでは社会は変わらない、ということですね。まだまだ色々なお話をお伺いしたいのですが、そろそろお約束のお時間になってしまいました。最後に藤木さんが想う生き物の魅力を教えて下さい。

私は生き物たちが織りなす世界の調和に魅力を感じています。生き物が複雑かつ多様に絡み合って出来ている「地球」というシステムそのものが、物凄く素敵で美しいと思っています。

美しい地球、美しい生物多様性を保全するための社会基盤をつくり、人間活動と生物多様性の保全を両立する社会を目指して活動を続けていきます。

-大変お忙しい中、お時間を頂き誠にありがとうございました。バイオームさんのさらなるご活躍を楽しみにしています。

 

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