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「本当に豊かな暮らし」を追い求めて。旅人・酒向快の夢見る社会のかたち。

Writer|掛川 悠矢
  • 読了目安時間:6分
  • 更新日:2019.10.15

酒向快、京都大学農学部3回生。1回生の夏に「おもろチャレンジ」に採択され、アイルランドに渡航。今年夏からはオーストラリアのジャングルに移住し、思い描く暮らしを実践するという彼の理想とする、「本当に豊かな暮らし」とは。

「音楽修行の旅」でアイルランドへ。

-本日はお忙しいところありがとうございます。酒向さんは1回生の夏におもろチャレンジ(編集部注:京都大学で2016年度から始まった留学支援制度のこと)に採択されているとお伺いしました。アイルランド伝統楽器バウロンの修行の旅ということですが、バウロンやアイリッシュ音楽との出会いはどんなものだったんでしょうか?

地元でパフォーマーの方が路上で演奏をしているのを見たのが始まりです。その前まではドラムセットをやってたんですけど、オーストラリアに行った時に当然持ち運べなくて。ドラムを叩きたさすぎてフラストレーションになっちゃっていたので、それからは持ち運べる打楽器を探していたんです。それでそんな時に出会ったのがバウロンでした。

バウロンは持ち運べるし、細かい音も出せるし、左手で皮の張り具合を調節して音の高さも変えられるからとても面白い楽器なんです。バウロンが面白すぎて、当時付き合ってた彼女を「バウロンに集中するから」って言って振ってしまうくらいのめり込みました。(笑)

そうしてバウロンに惹かれたのが元々のきっかけだったんですが、アイルランド音楽で使われるってことを知って。バウロンをやるならアイリッシュが叩けなきゃいけないので必然的に聞くようになりました。

-バウロンとの出会いが先でアイリッシュ音楽は後だったんですね。バウロンの魅力を今話していただいたと思うのですが、アイリッシュ音楽の魅力はどういうところにあるのでしょうか。

アイルランドでは音楽が生活に密着しているというところです。すごく小さな町でもパブがあって、おっちゃんから若者まで皆が楽器を持ってパブに集まって、セッションをしてお酒を飲む、そういう風景がどこにでもあって。老若男女誰でも、下手っぴでも楽しめる。疲れたら座って聞いてるだけでもいいから、老若男女誰でも音楽を通じて楽しめる、そういうところが魅力だと思ってます。

-全ての人がそれぞれに合った形で音楽を楽しめる音楽文化、素敵だと思いました。アイルランドではどんな行程を取られたんでしょうか?

最初は首都のダブリンに行って、その後エニスっていう音楽の町へ行きました。そこで国内最大の音楽のお祭りが開かれていて、ワークショップに参加したんです。でも毎日の内容に変化がないし、座って毎日演奏を習うのにも飽きてしまって、1週間くらいでエニスを発ちました。その後はアイルランドの西の海岸をヒッチハイクで旅しながら色々な町のパブを巡っていました。

-すごい行動力ですね…。アイルランドでは周りは現地人ばかりだったと思いますが、そういう中に飛び込んで行くのは怖くはなかったんですか?

ほとんどないですね。(笑)

確かに、最初に飛び込んでいく時に抵抗がないわけではないです。でも、その抵抗感って乗り越えてしまえば大したことじゃないって知っているんですよね。なので「またこの感覚ね!」くらいの気持ちで飛び込むことができるんです。


>> 次頁「枠に縛られたくない!「型破り」すぎる半生。」

 

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