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「積む」をカフェnoirに昇華する挑戦。部員120人の想いをまとめた2人の大学生に迫る。
Writer|細辻 あおい |
- 読了目安時間:8分
- 更新日:2018.12.12
京都工芸繊維大学の学祭で異彩を放つ「noir(ノワール)カフェ」。毎年異なるコンセプトで部室を改造して作るカフェのクオリティは、学生の範疇を遥かに超える。120人にも及ぶ個性豊かな部員をまとめあげ、言語ではない表現で”NOIRらしさ”を創り上げる、代表の萬喜(まんき)さんと木下さんにその過程とかける想いを訊く。
総勢120人で作るオシャレカフェ、noirの挑戦。
(左:木下さん 右:萬喜さん)
-本日はお忙しいところお時間を頂き、ありがとうございます。早速noirについて詳しくお伺いしたいのですが、noirとはどのような団体なのでしょうか?
萬喜 noirは元々美術部だったので正式名称は美術部なのですが、京都工業繊維大学の中で美術に興味のある人はデザイン・建築学科がほとんどだったので、今はデザインや建築をやっています。
活動は前期と後期で分かれていて、前期はそれぞれやりたいことをやります。建築から少し離れたアートっぽいイベントをしたり、今年はタイダイ染めでシャツを染めたり、本当に好きなことをして。
部員も今年は結構多くて120人くらいなんですけど、みんな一人一枚白いシャツ買って染めました。後期のメインはこの学祭でのカフェですね。
-120人!それは大所帯ですね。それだけ多くの部員で一つの大きなものを作るとなると、なかなか難しそうですよね。どのような組織形態で活動しているのですか?
萬喜 実際に建物を建てる建築部門とチケットや看板など建築以外のデザインを担当するデザイン部門、そしていかに安く綺麗に美味しくケーキを作って提供するか、というフード部門との3つに分かれています。
そして僕(部長)と副部長の下にその3つの部門のそれぞれのトップ、建築は施工長・デザインは意匠長・フードはフード長がいるという組織形態になっています。
やはり多くの人数、それもそれぞれが創作意欲を持った人の集まりで動くときのデメリットとして、仕事をそれぞれに任せて好きにさせると統一感がないデザインに仕上がってしまうので、そこを統一する役目を部長の僕がやっていました。他の人から見るとただ文句言うだけの奴みたいな(笑)
-そうやってデザインやコンセプトを統一するのは大事な役割ですよね。その役割を通じて大変だったところはありますか?
萬喜 そうですね、建築など一つの大きなものを作る際はあまり大きくブレたりはしないのですが、デザインは共同でしにくい分野なので、カップのスリーブや看板など細かく役割分担した分、統一が難しかったです。
やはり人に印象付ける際にはデザインが一番大きな役割を果たすので、そこがカオスな状態になると何が何だかわからない。なので、統一のために「イメージの共有」がどこまでできているかが大事だと思いました。
言葉だけで伝えてもそれに関して皆思うところはバラバラですし。今年のテーマが「積む」だったので、余計にイメージ共有が難しかったです。
-今年のカフェのテーマは「積む」なんですね。確かに抽象的な分イメージの共有が難しそうですね。どのような経緯でそのコンセプトが生まれたのですか?
木下 他の部員が木を木組みで積んでいる案を持ってきてくれたんです。そこから、じゃあ「積む」というテーマにすれば結構汎用性があるから広げていきやすいんじゃないか、ということで「積む」というテーマになりました。
>> 次頁「学生レベルでは終わらせない。試行錯誤のその先に。」
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