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運動会からAED普及?!学生ならではの斬新アイディアが心臓突然死を救う。
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Writer|遠藤 季夏 |
- 読了目安時間:10分
- 更新日:2017.12.19
花田彩愛、高岡奈都海、小池佳菜子。京都大学医学部人間健康科学科4回生。昨年度のinochi学生フォーラムで、心臓突然死減少に対し斬新なAEDの普及案を提案し、最優秀賞を受賞。看護学という医療分野を専攻している彼女たちが思う医療のあり方とは。
心臓突然死を、教育という観点から。
-本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます。みなさんは昨年度のinochi学生フォーラムという学生イベントで最優秀賞を受賞されたということで…はじめに自己紹介をお願いします。
花田 私たちは京都大学医学部人間健康科学科看護学専攻4回生の、花田彩愛です!
高岡 高岡奈都海です!
小池 小池佳菜子です!
花田・高岡・小池 3人合わせてアツコです!
-すごいですね(笑)
花田 小学生向けにこういう挨拶をいつもしていて、アツコって何かっていうと、こういうお人形なんです。この子の名前がアツコちゃんで、この子を紹介するためだけに今の紹介をいっつもしてるんです(笑)授業の前にやってアイスブレイクみたいな。一応、みんなの名前から一文字ずつとってるんですけど。
-なるほど、そういう工夫があったんですね!では、まず、inochi学生フォーラムというイベントがどのようなものなのか教えていただけますか?
花田 inochi学生プロジェクトっていう団体が、阪大や京大の医学生を中心にあるんですけど、その団体が主催しているイベントです。で、若者、学生からヘルスケアの課題解決みたいな趣旨があって、中高生と大学生向けに約半年の教育プログラムを実施して、その中で一個の課題に対して、アイディアを出して、活動して、最終的にプレゼンテーションをするっていうのがinochi学生フォーラムです。
去年とその前の年は心臓突然死というものをテーマに扱っていたんですけど、その心臓突然死を減らすっていうのがテーマでした。そこに参加させてもらったんですけど、今までは、アジア圏を中心に世界6カ国、200名以上の参加者がいて、アイディアとしては50個以上出たみたいです。
小池 今年は中高生で400名くらいの応募があって、そこから100名くらいに絞られているんですけど、今年度は中高生のメンタリングをしています。
大学生は20チームくらい応募があって、動画で提出したプレゼンを、プランとかアクション、プレゼンなどで評価して、そこから優秀なものが選ばれるっていう感じです。去年は中高生3チームと大学生3チームが選ばれて、フォーラム当日に発表しました。
-コンテストだけではなくて、教育プログラムがあるんですね。
小池 医学系の先生だったり、専門家の方もそうなんですけど、起業家の方だったり、色々な分野から色々な先生をお呼びして、専門的なことからアイデア思考まで、中高生だったらオフラインで、大学生はオンラインの動画でやるものです。
-なるほど。実際にみなさんが昨年度出された案はどのようなものだったのでしょうか?
高岡 テーマが心臓突然死っていうもので、それは、原因がわからずに心臓が止まってしまって亡くなってしまうっていうものなんですけど、日本ではそれで年間7万人くらいが無くなっているっていう風に言われていて、その解決策を考えるフォーラムだったんです。
今、AEDを使うことが心臓突然死で亡くなる方を減らすのにすごく効果的だっていう風に言われているんですけど…AEDの講習とかって受けられたことってありますか?
-ありますあります。
高岡 大学や教習所とかでも機会は増えてきているんですけど、いざという時に使える人っていうのはまだまだ多くなくて、5%くらいだという風に言われていて。もし目の前に心臓突然死が起きた時に、使えない人が多いっていう。
-確かに、恥ずかしい話ですけど、私も使えないかもしれないです。
高岡 私たちもすごく共感するんですけど、なんで勉強する機会はあるのに使えないんだろうなって考えた結果、AEDの使い方を知ってはいるけど使うのが怖い、使える自信がないとか、心理的な要因が働いているんじゃないかと。
そして、それをAEDを使うことに対する「心理的なバリア」と呼ぶことにしました。私たちの案は、その心理的なバリアをなくしたり予防したりするために何か新しいことができないかなって思って考えた案になります。
-心理的なバリアはものすごく感じます。具体的にはどのような案だったんですか?
高岡 具体的にいうと、心理的なバリアっていうのは小さい時にできていくらしいんですよ。そういう研究も実際にされていて。
じゃあ、AEDの教育っていうのが中学生くらいからされていくんですけど、授業とか講習とか難しいことをやる前に、AEDとか救命に対してもっと興味を持ったりするきっかけを作れないかなって考えて、それで考えたのが、アツコちゃんを使った新しい競技だったんです。
花田 小学生対象の競技になっているんですけど、選手にはAED担当と胸骨圧迫担当に分かれてもらって、アツコちゃんが倒れているので声かけをしてから、手作りのAEDを持ってきてもらい、使って、胸骨圧迫をするという流れです。最後は担架で運んでもらいます。
実は、アツコちゃんの体はペットボトルなどの身近なものでできているんです。頭はゴムボールですし、心臓は空気入れのポンプで。使い方動画もあるんですよ。競技をするときはペットボトルに水を入れて、重さが調節できるんです。
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