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極限の地“アラスカ”での挑戦。京大理学部生が追いかける「オーロラの音」。《後編》

Writer|木原 弘貴 Writer|木原 弘貴
  • 読了目安時間:10分
  • 更新日:2018.2.7

京都大学理学部、藤田菜穂、司悠真、天羽将也、高冨士愛子。4人で掴んだ2017年度「京大おもろチャレンジ」、「京大SPEC」。前回は4人が集まった経緯や、研究で赴いたアラスカについてお伺いしました。後編では、理学部の特徴やアカデミアで戦うということについて語って頂きました。

意外と知られていない? 京都大学理学部の特徴

-京都大学理学部の特徴が他にもありましたら、教えてください。

司さん 京大理学部の特徴としてあげるなら、学部1・2回生が専攻で分かれることなく、理学科で統一されている所ですね。具体的に言うと、物理専門の学生も生物専門の学生も、2回生までは、同じ授業を受けるんです。

そのおかげで、異分野の道に進もうとしている学生同士が交流する機会がとても多いように感じますね。

また、研究の世界では、最近、「学際的」という言葉が注目されていて、いろんな分野のアイデアを交えて、新しいアイデアを生み出そうというのがこの言葉の意味なんですよ。

この「学際的」な活動を行う環境として、京都大学は非常に良い環境であると思いますね。

藤田さん まさに自分たちの研究も学際的だよね。

司さん 他にも京大理学部の特徴としてあげるなら、学生による自主ゼミが多いということですかね。
(参考:自主ゼミとは、特定のテーマに関して学習を深めていくことを目的とした、学生同士が自主的に行う学習活動のことです。)

天羽さん その背景には、自分の好きな勉強や研究をしたくて、京大理学部に入学している学生が多いので、学びたいという意欲のある学生が多いということがあると思いますね。

高冨士さん 普段の会話は、物静かな人でも、専門的な話題の話になると、積極的に話す人も多いのにも現れているかもしれません。

司さん また理学部生の特徴としては、研究者志望の学生の割合がとても高いように感じますね。4年で卒業をして、就職をしようと考えている学生の数よりも、アカデミアで戦っていきたいと考えている学生の数の方が多いと思います。

−アカデミアで戦っていくことに迷いや不安があったりはしないんですか?学部で4年間過ごし大学院に進んでも、研究者になれる人は限られているという現状がありますし。

司さん そうですね。学部生の多くが、生活の保障がどこにもないという恐怖を抱いていて、それがストレスになっている場合もあると思います。

理学部において、自主ゼミに参加する学生が多い理由の一つとして、研究が好きということと同時に、将来の不安を払拭するべく勉強しているということが挙げられるかもしれないですね。

プロのサッカー選手が幼少期からサッカーに必死に打ち込んで成果を出さなければいけないのと同様に、プロとして科学を研究していこうとする人間も、目に見える成果を出す為に、必死で勉強や研究などに打ち込む必要がありますから。

藤田さん 今回、私達が行なっている研究は、「成果を出さなければならない」という面で言うと、学部生の研究であるので、まだ負担は少ないよね。

天羽さん 自分たちが学部生の立場である今だからこそできる研究だと思います。

藤田さん そもそも、今回のオーロラの音という研究テーマ自体に少し怪しさもあるじゃないですか。特定の事象に対する正体を知りたいという純粋な気持ちだけで、研究をさせてもらえるのは、学部生の間だけなのかなと思います。

−本来、研究機関とはそうあるべきですよね。皆さんは学部2回生ですが、他の2回生も危機感を感じているのでしょうか?

高冨士さん 1回生の時から、将来を悲観している学生は多いですね。

天羽さん 僕は、理学部に入ると決めた段階で、人生をかけて研究の道で生きていくと決めているつもりです。

司さん 実際、京大理学部に進学することを親に反対されていても、進学している学生も多いしね。


>> 次頁「アカデミアの世界で戦いたいからこそ、京大理学部に。」

 

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