社会人インタビュー
営業から開発担当に!?サイバーエージェントはやっぱりスゴかった!
Writer|ビックイヤー編集部 |
- 読了目安時間:15分
- 更新日:2016.10.26
ネット広告の営業は課題に当たる回数が多い
–新規開拓の営業をはじめてやられた時はどうでしたか?
やっぱり最初は嫌でしたね。いきなり電話をかけて、アポイントを取らないといけないんで。電話をかけて「マーケティング担当の方いらっしゃいますか?」みたいなカタチで話しはじめて、「サイバーエージェントなんですが、マーケティングのお力添えを出来ればと思い、ご連絡させて頂きました。」みたいな。今ならペラペラしゃべれますけど、はじめの頃は緊張もしますし、嫌でした。
–ですよね。
でも、実際にやってみて思ったのは意外とアポイントは取れるんですよ。社名が通っているからだと思いますが。サイバーエージェントが持つ情報を知りたいマーケティング担当者も多いみたいで。もちろん、アポイントを取った後に要件化して提案するところまで持っていくのは大変でしたので、アポイントが取れても上手くいくわけではありませんが。
–実際、新規で案件取れましたか?
新規は、粗利が高い商材しか売らないことになっていたので、そこまで大きな案件ではなかったですが、数件決まったと思います。
–粗利が高い商材に限定していたのは会社の方針だったんですか?
当時はそうでしたね。粗利が良くて手離れが良い商材なら予算規模が小さなところにもアプローチ出来ますし。サイバーエージェントって外から見るとチャラチャラして見えるかもしれないんですが、実は戦略などは細かいとこまでキチンと立てています。事業目標から逆算して、その数字を達成するためにどうするかみたいなことは経営層がキチンと考えています。
–1年目から個人の裁量は大きかったのでしょうか?
大きかったと思います。研修とかも3日で終わって、いきなりOJTというか、現場に行きますし。出来ると思われたら、どんどんフロントに立たされますので、裁量という意味では相当に大きかったと思います。広告の営業って華やかな感じがしますけど、ネット広告はそんなことなくて、全て数字で可視化されてしまいますから、どう効果を良くするかってことを考えないといけなくて。結構コンサルティングに近い仕事内容だと思います。もちろん効果が悪ければちゃんと改善策を出さないといけないですし、効果は常に変動しますので、そのたびに有効な手段を提案し続けなければならないため、課題にぶち当たる回数がめちゃくちゃ多いんです。また課題には外部要因も内部要因もあるため、変数も多く、ネットの世界なのでもちろんスピードも速いです。そのため、ただ普通に仕事しているだけでも意思決定の機会は非常に多いですし、その多くは自身で判断しなければならないですから。
–裁量が大きいとプレッシャーにならなかったですか?
それはないですね。プレッシャーに感じるような人はそもそも採用されていないと思います。サイバーエージェントって顔採用なんてことも言われたりしますけど、実際は「気が強そう」とか「こいつやれそう」、「会社のノリに合いそう」とかを重視していて、そこが合わないと採用されないんで。もちろん、顔も多少はあるとは思いますけど。なので、そもそもあまりネガティブな人はいなかったですね。
–1年目からリクルートホールディングスを担当されたと伺いました。
はい、リクルートは日本一広告の配信量、配信額が多い企業で、サイバーエージェントの中でもトップレベルのアカウントになります。当然、周りは優秀な人ばかりでしたし、1年目から担当させてもらえて非常にラッキーでした。
–具体的にどういった点で「優秀だな」と思われましたか?
営業って、特定のプロダクトに対する知識はスタッフに比べ、なかったりすることも結構あって、体面張ってるだけ、みたいなこともあるんですが、リクルートを担当する営業チームの人はスタッフに負けないくらいプロダクトにも詳しくて。あと課題に対するアプローチの仕方が非常に上手かったですね。課題っていくつかの要素から成り立っていることが多いんですが、それらをちゃんと因数分解して、施策に落とし込むことが出来る点だとかですね。他には仕事捌くのがめちゃくちゃ早い点ですね。みんな学歴とかが高いわけではないんですが。
まさかの営業から開発に
–約1年間、営業を経験されて部署を異動されたんですよね?
はい、リクルートを担当している時にディスプレイ広告を扱っていたので、ディスプレイ広告と関連性の高いDMP(※)というプロダクトを新規に立ち上げた部署に異動になりました。その部署では、セールスというかサポートというか、そういった導入時のコンサルティングを担当していました。
ただその後すぐに開発のメンバーが足りなくなって、今度はDMPの開発へ異動になりました。まさかの営業から開発でした(笑) そこからDMPのプロダクトマネージャーとして約2年間仕事をしました。
–営業から開発に移ってみてどうでしたか?
まず広告のプロダクトに詳しい人が社内にほとんどいなかったので、手探り感は半端なかったですね。営業やっている人はそのプロダクトで何が出来るようになるかは理解していますが、その仕組みは全く把握していないですから。自身の知識の浅さを痛感しました。でも色々と開発で経験を積めたおかげで、今では仕組みを理解出来るようになり、「これ出来たら、これも出来るよね」みたいなことが分かるようになったのは非常に良かったと思います。あとプロダクトマネージャーになってから、営業では感じなかった種類の責任を感じるようになりました。
–と、言いますと?
自身が考えた開発計画や仕様を基に機能をエンジニアに作って頂くんですが、その機能が売れなくて、事業が成功しないことになってしまうと、エンジニアに無駄働きさせてしまったことになるので、一つの機能の開発計画などを決める責任はめちゃくちゃ大きいなと思いました。特にチームのコンディションがそこまで良くない時期などもあったので。
–営業の頃の意思決定より、開発現場での意思決定の方が重かったと?
はい、重かったです。あとプロダクトマネージャーなので、人のマネージメントもしなければならない立場だったんですが、エンジニアのマネージメントは営業のそれと比べ、難しいと感じましたね。営業はそもそも数字に興味がある人の集まりですし、インセンティブがあれば比較的モチベートし易いのですが、エンジニアはそうはいかないですから。エンジニアに一回不信感抱かれると、そこからエンジニアのモチベーションをリカバリーするのは凄く大変なんで。「その機能作って売れるんですか?」とか平気で言われますから(笑) B2Cのプロダクトだとエンジニア自身もお客の一人になれるので、その機能の価値をある程度自身で判断出来たりするんですが、B2Bのプロダクトだとエンジニアには価値を判断し辛い機能も多くて。なので、エンジニアはこっちの開発計画を信じるしかないんで、信頼関係は非常に重要でしたね。
–信頼関係を築くために気を付けられたことなどありますか?
なるべく暇そうにしました。眉間にしわを寄せて、忙しそうにしているとエンジニアも話しかけにくいじゃないですか。なので、暇そうにして話しかけ易い雰囲気を作るように心掛けましたね。あとは当たり前ですが、方向性をちゃんと示すってことですかね。「プロダクトでここを目指します」だったり、「それを目指す上で必要な機能はこれこれです」、「開発のスケジュールはこれくらいで考えています」などですね。そして「この機能が出来ると、こーゆー企業にアプローチ出来るから、売上もこれくらいになります。そしてそれを売るための体制はこのようになっています。」って、上から落とし込んでいくロジックを示さないと、エンジニアに納得してもらえないので、それはちゃんとやりました。また定期的な会議体を設けて、進捗管理などもキチンと行いましたし、悪いところがあればすぐ軌道修正しました。
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