社会人インタビュー
東京オリンピックを目指して。省庁でしか味わえない仕事の醍醐味。
Writer|ビックイヤー編集部 |
- 読了目安時間:7分
- 更新日:2016.11.27
社会の大きな仕組み作りに携わる
–残業など仕事の忙しさはどれくらいなのでしょうか?
一番忙しかったのは東日本大震災の事故対応時ですね。何日も寝ずに仕事をしました。しかし、これは非常時の話です。平常時はタクシー帰りが何日か続くことはありますが、365日ずっと忙しいわけではありません。
–仕事における個人の裁量はどの程度あるのでしょうか?
新聞の紙面に掲載される案件など重たい案件も少なからずあるので、若手だけに任せるということはあまりありません。ただし、意見を言う場などは色々とありますので、自身に考えがあって、それを上司などに了解してもらえれば、上まで通すことは可能です。
–民間企業の方と一緒に働かれることもあるのですか?
私は文部科学省ということもあり、大学の先生方と一緒にお仕事をすることが多かったのですが、それでも何回かあります。福島の人材育成事業でも民間企業の方々にご協力頂いています。
–一緒に仕事をされた際、民間企業との意識の違いのようなモノを感じたことはありますか?
当たり前ですが、自社の利潤については冷静に見極められますね。大学などは、社会的に意義があるものですと、比較的すぐにご協力頂けたりするのですが、民間企業の方は、自社へのリターンが見極められていない段階では、簡単には首を縦に振ってくれないですね。ある意味シビアな目をお持ちです。したがって、ご協力をお願いに行く際には、必ず相手にとってどれだけメリットがあるかを説明するようにしています。
–民間企業で働いてみたいとかはありますでしょうか?
それはありますね。少ないですが民間企業への出向ポストも文部科学省にありますので。自身の視野を拡げるためにも機会があれば行ってみたいですね。民間企業の方にヒアリングしたりすることもあるのですが、やはりそれだけでは分からないことも多いですし。
–民間企業に対して、うらやましいと感じられる点などありますか?
うらやましいとは違いますが、民間企業は、社風と案件によりますが決断が国と比較して早いですね。国は、これも案件にもよりますが基本的に決めるまでに相当の時間がかかります。規制緩和などは、社会全体に大きな影響を与えるのでそれなりに時間を掛けて議論する必要があったりするので致し方ないところもあるのですが。昔、民間企業の方から、「○○行政について、国は決断が遅く、何かしたと思ったら反対に厄介なことになることも多いので、もう何もしないで黙って見ていて欲しい。」と言われたこともあるぐらいです。
–そのようなことを言われたことがあるのですね。
民間企業は競合がいますので対応が遅いとパイが取られてしまい、それは死活問題なので、早く決断せざるを得ない環境にあるのだとは思いますが。
–国会議員の方と仕事をされることもありますか?
国会議員の方にご説明する機会はなくはないですが、基本的に課長級以上が対応します。局長クラスになりますと、頻繁に国会議員の先生方とやりとりする機会があります。重要な案件は国会を通さないといけませんので、事前の調整など、上になればなるほど必要になってくるのだと思います。
–ゆくゆくは自身も政治家に、という想いはありますか?
私はないです。中にはそのような方もいます。文部科学省の人は比較的少ないようですが、経済産業省の方などは何人かなられているようです。
–文部科学省のような省庁で働く魅力って何でしょうか?
やはり社会の大きな仕組み、枠組み作りに携われるのが魅力だと思います。法律だったり、税制だったり。
–現在は福島で人材育成に携わられていますが、今後こんなことに携わってみたいな、などありますでしょうか?
先ほど少しお話しましたが、私は日本文化も好きなので、文化庁に行き、2020年の東京オリンピックの際に、日本の文化を世界に発信するプロジェクトなどにも携われたらいいな、と思っています。
–最後に文部科学省ということもありますので、学生に向けて何かひと言お願いしてもよろしいでしょうか?
最初から自身の進路を絞り過ぎずに、視野を拡げることは重要だと思います。「分かりません。教えて下さい。」と言って教えてもらえるのは学生の特権ですから。その特権を積極的に活用して、色々な方のお話を聞いたり、相談したりして、視野を拡げて欲しいと思います。
–大変お忙しい中、長時間お付き合い頂き、誠に有難うございました。
社会人インタビュー一覧
ビックイヤー編集部です。単なる就活対策などではなく、これから何十年と続くであろう学生皆様のワークライフが、より素敵なものになるよう、記事をお届けいたします。
ビックイヤー編集部です。単なる就活対策などではなく、これから何十年と続くであろう学生皆様のワークライフが、より素敵なものになるよう、記事をお届けいたします。
社会人インタビュー一覧
関連記事
ランキング