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社会人インタビュー

メガバンクから外資金融への転身。人種の壁を越えるプロフェッショナルに。

Writer|ビックイヤー編集部 Writer|ビックイヤー編集部
  • 読了目安時間:12分
  • 更新日:2016.12.08

日本のメガバンクはジェネラリストが多い

-学生時代から金融業界に興味があったのでしょうか?

いや全然ないです。自分の強みを活かせる海外絡みの仕事をしたいというのはあったのですが。

-語学が得意だったのでしょうか?

はい、アメリカに13年間住んでいたので。

-何歳から何歳までですか?

5歳から18歳までです。大学から日本に戻ってきました。

-いわゆる帰国子女ですね。それで自分の強みを活かせる海外絡みの仕事をしたいと。

はい。ただ、海外絡みの仕事と言っても色々ありますし、その中でさらに絞らないといけないのですが、特別やりたいこともなくて。結局周りに流されたのもあって「商社マンいいなぁ」とか思って、商社を受けまくったんですけどなかなか決まらなくて。そんな中、銀行受けたらグローバル採用という枠で受かって、海外絡みの仕事が出来そうだと思って入社することを決めた感じです。

-大学の同級生は商社を受ける人が多かったのですか?

はい、慶応の学生は商社に憧れている人が多かったですね。今思うと、ホント何が良いのかも分からずに商社受けていたと思います。あと日本のメガバンクに新卒で行く人って、自分も含めてなんですが、やりたいことが明確になってない人が多いように思います。どの銀行も仕事のローテーションが多いので、特定の仕事をやりたいって人だと逆に合わないのかもしれないですし。

-今回、4年間務められている現職から外資系金融機関に転職されるとお伺いしています。いつかは外資に行きたいなどの想いや考えがあったのでしょうか?

いや、そんなことはないですね。現職で仕事をしていくうちに、他の銀行はどうやって仕事しているのだろうと興味が出てきたのがきっかけの一つではありますが、そもそも正直そこまで想いがあって転職活動をしていたわけではありませんでした。むしろ受けてみたら受かったので、そこから真剣に転職するかどうかを考え始めた感じでした。

-では、最終的にどのような理由で転職を決められたのでしょうか?

何か武器が欲しいなと思ったことが大きかったです。現職では仕事のローテーションがありますので、なかなか一つの仕事を極めるまで続けることが難しい環境にあります。なので、外資に行って、一つのことを突き詰めてやって、自分の武器を作りたい、プロフェッショナルになりたいと思い、転職を決めました。

-日本の銀行では金融のプロフェッショナルにはなりにくいのでしょうか?

そうかもしれません。もちろん日本の銀行にいる人も優秀な人はいますが、やはりローテーションの多い人事の中ではジェネラリスト的な人が多い傾向にあります。

-ローテーション制度があるためにプロが育ち難いのですね。外資系の金融機関には日本のようなローテーション制度はないのでしょうか?

基本的にないですね。例えば特定の業界のアナリストで採用されたら、ずっとその業界のアナリストのままです。

-同期の方も転職されたりしていますか?

私の知る限りでは、ほとんどしてないですね。

-現職と比べ、年収などの待遇面に違いはありますか?

現職と比べると年収は3倍くらいになります。ただ、現職の年収がそれほど高くないので・・・。

-日本のメガバンクは年次が低いと世間のイメージほどには高給ではないですからね。

そうなんですよ。やっぱり給料って大切なモチベーションの一つですしね。私は会社の中でも30代後半以降の役職付きの方と仕事をする機会が多いのですが、彼らは少なくとも私の倍以上は給料もらっています。でも、私の仕事への責任だとか負担はその方々より劣っている事も決してなく、たまに不公平を感じることはあります。なので、現職に対してはもう少し評価してくれよって思うこともあります。

-外資系の金融機関と聞くと凄く忙しそうなイメージがあるのですが、何か聞いていますか?

忙しさは現職とは比較にならない程らしいです。なので、高い年収も時給に換算すれば、それほど高くないことになるかもしれません。

-どの程度忙しいと言われていますか?

毎日2時、3時まで働くなんて聞いています。

-それは大変そうですね。ちなみに現職は?

基本的に20時頃には退社していますね。もちろん何かあれば遅くまで働くこともありますが、それが長期間続くことはないですし。ワークライフバランスはめちゃくちゃ良い会社です。なので、転職先でやっていけるか正直不安はあります。

-それは大きく生活が変わりそうですね。そこまでしてでも武器を作りたいと?

そうですね。ただ決めるまでは相当悩みましたし、親とかにも相談しました。最終的にはやっぱり人生一度きりですし、「色々なことを経験してみよう」、「冒険してみよう」と思い、決断しました。

-転職に関して現職の同期や先輩、上司の人はどのような反応でしょうか?

もちろん人によって違うのですが、国際部門の人は概ね応援してくれていますね。「外資いいなぁ」とか言ってくれます。やはりグローバルでは金融業界でも転職はごくごく普通なことですからね。

金融業界は、実はかなり狭い世界

-転職後の勤務地は日本ですか?

はい、東京です。実は現職の隣のビルに勤務します(笑)

-めちゃくちゃ近いですね(笑)

しかも現職の会社の重要なお客様です。金融業界って実はかなり狭い世界でして、会社を跨いでお互いを知っていることも多いです。外資は特に。フロントの人はディールで有名になっていく場合も多いですし、あとは弁護士に似ていて、どんなお客様を持っているかでも有名になっていきますね。

-転職先ではどのようなお仕事を担当されるのでしょうか?

債権の引き受けです。Debt Capital Market(※)というモノなのですが、会社が社債を発行したいと言えば投資家を呼んでくるだとか、銀行の貸出と似たような性質のモノです。バランスシート上では負債に入る項目ですので似たような仕事です。

※金融業界の中でも主に投資銀行業において、顧客企業や機関が債券を発行する際の引受などを担当する者あるいはその業務や部署を意味する語。株式発行に関連した業務を担当するECM「equity capital market」と合わせてCM「capital market」と呼ばれることもある


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