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座談会を通して見る、あなたの知らないリアルな熊野寮【前編】

Writer|島谷 あかり Writer|島谷 あかり
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2017.12.11

少し気になる中核派との関係。

-常に話し相手がいるのって本当にいいですよね。では熊野寮は中核派の方がいることで有名ですが、中核派の方の寮内でのポジションや、ほかの寮生との関係性を教えてほしいです。

久保田 よく寮に機動隊が突入してきてそれがニュースになったりするので、熊野寮は中核派の寮だというイメージが世間にはあるかもしれませんが、活動家に牛耳られている訳では全く無いです。彼らの発言に対しても、何のためらいもなく反論できるくらいの対等な関係です。

長谷川 彼らの方針を寮自治に関してむやみにぶち込んでくることは無いですし、むしろ寮運営の方向性に関しては一致することも多く、彼らは一緒に寮を運営する同居人です。

笠井 そうですね、同居人が政治活動しているだけという感じがします。

中条 僕は、中核派とは個人対個人として仲良くやっていると思います。そもそも細かく見れば、持っている思想なんてここにいる僕らの中でも違うんですよ。感覚としては寮の中に、革命的共産主義(中核派)という思想を持っている人がいただけというか。

長谷川 確かに。個人的には、デモに行こうとか皆がそれに一致できなくても、社会に絡めた話をしてくれるのって結構ありがたいと思います。

中核派の人も「自治会としてはデモに参加する一致を取れなくても、議論が盛り上がること自体に意味がある。」と言っていました。社会と熊野寮は切り離して考えられないし、熊野寮は寮生だけのものではない。

どんどん人が入れ替わっていく学生自治会の中で、そういう大事な視点を持つきっかけを常に作っていることの意味は大きいと思います。

久保田 熊野寮に入ったおかげで、様々な視点で物事を見ることができるようになったかもしれません。

-ところで、お部屋についての質問なんですが。スタンダードでは、15畳くらいの部屋にベッド、本棚、クローゼットと机が備え付けで4つずつ置いてありますよね。そこに、部屋の主のこだわりが反映されていて、すべての部屋が少しずつ違うのが面白いと思いました。みなさんの部屋はどうですか?

笠井 こだわりというか、住みやすくするために結構色々しましたね。例えば、最初入ったころの部屋は、前の代の人達がカーペットをどんどん重ねてひいていったらしく、もう何層にもなっていました。

ベッドの下のだれも座れないところに床暖房用のカーペットがあったりとか。ある時それらを全部はがしてフローリングシートをひいて綺麗にしましたが、結構大変でした。

久保田 僕が前に住んでいた部屋には昔建築学科の人が住んでいたらしく、ドアや壁など、かなりリノベーションされていました。

見学時に見せてもらった部屋と全然違って、あれって思いましたが、快適に住むことができて良かったです。他にも床面積を2倍にしたいという考えのもと、ロフトを作った人もいるみたいです。

笠井 改造でいうと、階段の踊り場がとても広くなっている棟があるんですが、その踊り場に住んでいる人がいました。

-そんなところで生活できるんですか?笑 なぜそんなことに…

笠井 驚きますよね(笑)私が1回生の時、廊下を歩いているとどこからかくしゃみの音がして。しばらくして、ここに人いるんだって本当に驚きました。住み始めた理由もかっこよくて、入寮選考にたくさんの応募があり、落選者が出てしまいそうになったからだそうです。

それで部屋を空けるために、僕が外に住みますって言って踊り場に住み始めたそうです。その方は、中庭にピザ釜も作ったりと、かなりクリエイティブな才能を発揮していて、みんなから感謝されています。

-熊野寮をフルに使って、自分の技能を伸ばしてらっしゃいますね。

長谷川 それで言うと、熊野寮の資料システムなどを簡単に閲覧できるための、寮アプリを作った人がいます。

このアプリを段々多くの寮生が使い始めると、各々こうした方が使いやすいなどの要望を言うようになりました。フィードバックを直接すぐに得られるので、アプリをどんどん改良することができて、技能向上のための良い経験になったと言っていました。

-いろんな才能を持った多様な学部の人が集まると面白いですね。では次回は、気になる熊野寮祭や寮内恋愛について迫ります。

 

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