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お祭り企画にアイドルマネージャー、「好き」を追い求める芸大生。

Writer|糸田川 大我
  • 読了目安時間:11分
  • 更新日:2018.7.4

受験失敗をきっかけに、自分が本当に興味をあることを追求し始めた。

-それでは少し話題を変えまして、松浪さん自身のことについてもお聞きできればと思います。まずは京都市立芸術大学を目指されたきっかけについて教えてください。

はい。実は一浪していて、高校では理数科に所属し、現役時は総合大学を目指していました。理系分野の中でも、ロボット工学を研究して研究職に就きたいなと漠然と考えていました。

でも受験勉強をしているうちに、勉強に疲れてきてしまいました。高校が進学校だったこともあり、医学部志望や、なにか明確にやりたいことがあって突き進んでいくような意識の高い人が周りには多く、その中にいる自分に対してもどことない違和感を覚えるようになって。

-その気持ちは少し理解できます。やっぱり周りとの温度差を感じてしまうと辛いですよね。

浪人した瞬間はちょっとほっとして。ああ、まだどこにも行かなくていいんだという安心感を抱いていました(笑) 

その後、本当に興味があるのはなにかを考えるようになって、そこでアニメーションを描きたいと思い、そのような大学に行かせてほしいと母親に頼みこみました。

そこから芸術系の大学を目指し、勉強をはじめました。ただ、当時はアニメーション制作をし続けていきたいのかはまだ確信が持てなくて、幅広く芸術関係の勉強もしてみたいという思いも強くなっていました。

そこで京都市立芸術大学に総合芸術学があったので、受けてみたら運良く合格でき、今は大学生活を謳歌している、といった感じです。

-現役時と浪人期でとても大きな転換を図られていたんですね。初め研究職志望だった理由はなにかありましたか。

将来仕事をする中で、自分の興味があるものを、面白いでしょって周りの人にも見せたいと感じたからです。

自分の興味を掘り下げていってそれを社会に伝えられるような研究職になりたかったのかなと思っています。面白いかはわからんけど君が面白いって言っているのは納得できるよって当時は周りに思わせたかったのかなと。

-そこから紆余曲折を経て芸術大学にという感じですね。芸術大学というところではどんな勉強をしているのでしょうか。

まだ3回生になったばかりなので、専門的な研究はしていなくて、これから何を研究していこうかなと考えている最中ですね。

1回生のときは絵画などの実技をやっている人と一緒に実技をしました。私が所属している総合芸術学科は、諸学科の垣根を超えてあらゆる学科の実技から選択できるので、本当に色々な実技や勉強をしていました。この敷居の広さも総合芸術学科を志望した理由の一つですね。

2回生のときも、展覧会展示企画の練習だったり展覧会のレビュー、パソコンのAdobeのアプリで動画を作ったりと様々な勉強をしました。その幅広さから学生からは学芸員養成学校と揶揄されています(笑)

-なるほど、ということはやはり学芸員になられる方が多いのですか。

いえ、進路は様々ですね。アカデミックの道に進む人や、研究職の人、一般職の人、他には百貨店には画廊コーナーがあるので、百貨店に就職してそこの展示企画などをした後に学芸員の資格を取るみたいな人もいます。

-バラエティに富んでいますね。そんな中で松浪さん自身は今もアニメーション制作をしていきたいという思いは残っていますか。

ないです(笑) 今はplay groundのように、面白い人をサポートして、その人が作る作品やその人自身を他の人にも見せていくようなことをしています。

やっぱり芸大の人って個性が強く面白い人が本当にたくさんいるので、そういう人たちを引き立てたいなという思いに変わっていきましたね。

-そういった活動をされる中で、大事にしたいものや、心がけていることはありますか。

今回のplay groundの企画であったり、他にも「てら*ぱるむす」というアイドルグループのマネージャー活動もしているのですが、そうやって人が何かをしていくのをフォローしている中で、できるだけ作家から遠い位置にいておくべきだなという気づきがありました。

これはアイドルグループのマネージャー活動の経験から学びましたね。本人から遠い位置にいないと肩入れしすぎてしまうので、少し離れた場所からサポートするように心がけています。


>> 次頁「お祭り企画、アイドルマネージャー活動を通して見えた、「自分のあり方」」

 

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