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京都出身、現役大学生バンド『Qyoto』。偶然の出会いから始まった6人の物語と、新曲に込められた想いに迫る。

Writer|ビックイヤー編集部 Writer|ビックイヤー編集部
  • 読了目安時間:9分
  • 更新日:2018.7.13

音楽のバックグラウンドが「違う」からこそ、尊敬しあえる。

(左から中園さん、TAKUYAさん、HIROKIさん)

-少し質問が変わりますけど、Qyotoはバイオリンやサックスを取り入れてらっしゃるんですが、元々がそういうコンセプトで始まったんでしょうか?

TAKUYA(Ba) 僕は後から入ったんですけど、このバンドの始まりというのが、ボーカルの中園とバイオリンのHIROKIなんです。だからもう始まりの段階で「普通のバンド」じゃなかったんですよね。

元々ベーシックなバンドという枠を超えている珍しい形態だったから、自然とストリングスと調和しながら、自分たちの音楽を創っていきました。コンセプトというか、偶然だけど、僕が入ったときは、もうベーシックなバンドじゃなかったということです。

HIROKI(Vn) そうです、だからもしこれが中園とTSUCHIYA、TAKUYAが先に加入してたら、どう考えても僕には声かからないですからね。笑 

-私もピアノをしてたんですが、クラシックの楽器がバンドと合わせるって、かなりハードル高くないですか?

一同 そう!本当に難しかったです。

TAKUYA(Ba) 具体的に言うと、ヘルツ数の問題が1番難しいところでした。440ヘルツっていうのがバンドサウンドのメインというか基本的なヘルツ数なんですけど、そこからバイオリンに合わせると、442ヘルツになるんです。

それで、各々の楽器のチューニングを何回も試行錯誤して合わせていって、今は441ヘルツで落ち着きました。

-ヘルツ数って大事なんですね。

TAKUYA(Ba) やっぱり「聴きやすさ」に関わってくる部分ですから、とても気を遣います。

HIROKI(Vn) そこをもっと深掘りすると、ギターと音色(おんしょく)が合わないっていう部分を見つけて、お互いが音を潰し合わないようにしていますね。オーケストラもそうですが、(前に)出る楽器と出ない楽器をタイムスパンで完璧に配置することで、より聴きやすい音を表現出来ると。

TAKUYA(Ba) そうそう、なのでメロディーラインを考えてから、そこに「邪魔にならず目立たせる」というか。最初は各々が使っている言葉が分からない時があったりしましたけど…みんな頭をフル回転させて音を創っているという感じですね。

-作曲はみなさんでされるという感じですか?

TAKUYA(Ba) 基本的にギターのTSUCHIYAが主導して創っていくんですけど、そこに各々が表現したいことを持ち寄って、一曲にしていくんですね。そこから、スタジオで「ここをこうしたほうがいい」とか、さきほどもあったんですが、ギターとバイオリンがかぶらないようにしたりとか、細かいところを調整していくという形ですね。

-6人で違う楽器で、異なる表現をするとなると衝突したりしませんか?

HIROKI(Vn) いや、衝突…は、ほぼないですね。「こんな感じのどう?」って言ったらみんな「めちゃくちゃいいやん!」って。

TAKUYA(Ba) 基本的にお互いにすごく尊敬しあってるっていうのが大きいかなって思います。出した意見に対して反対!というより、歌詞とか持ってきても「すごいイイじゃん」っていうことが多いです。

HIROKI(Vn) たぶん、これはみんなのバックグラウンドが違うっていうこともあるかもしれないです。キーボードのRYOTA.がピアノとサックスをやってきたという背景があって、TAKUYAとかと比べても、バンドの経験が少なかったので。だから逆に尊重し合う文化が出来たのかもしれないです。

TAKUYA(Ba) ほんとに真逆の位置にいるというか。僕はバンドで育ったので、合わせるのが当たり前でしたけど、ピアノとかだと、人に合わせることがあまりないですからね。

そこでしっかりと話し合って、「あーここが違ったんや」って分かり合うという過程があるので、衝突どころか尊重しあって、お互いにイイやんそれって。


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