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“何かになりたい” 夢を求め、夢に溢れる現役京大生作家の生き方。
Writer|糸田川 大我 |
- 読了目安時間:10分
- 更新日:2018.11.16
ジャグリングや執筆活動に共通する「生き方」。
-ありがとうございます。学業面以外では大学生活をどのように過ごされているのでしょうか。
今はジャグリングサークルに所属しています。中学高校とジャグリング同好会に所属していて、大学でもそのままジャグリングをしていることになりますね。僕の中ではもうジャグリングが生活の一部になっていて、ジャグリング抜きでは生活が回らなくなっているんです(笑)
-なるほど。そこまでジャグリングに惹かれている理由はあるのでしょうか。
もともと何かをコツコツやっていくということが好きで、それにジャグリングの練習がうまくマッチしていますね。
あと僕は自己肯定するまでに非常に時間がかる人間なんですよ。ジャグリングをコツコツ練習して上手になっていくという作業は自分の中で数少ない、自分をしっかり肯定してあげられるものの一つです。
俺凄いじゃん、と自信を持てるものがジャグリングなんです。ジャグリングが上手くいくと、良い波に乗れて執筆活動や勉強にもその勢いのまま打ち込めます。そういった魅力がジャグリングにあるのかなと思っています。
-なるほど。青羽さんにとってはジャグリングが他の活動のスイッチになっているような印象を受けました。
そうだと思います。ジャグリングは成長が自分でも実感できるんですけど、小説はそうじゃない、目に見えてはわからないんですよね。そのわからない辛さを乗り越えるために、ジャグリングをしているというようなことはあります。
-大学でも様々な活動をされていると思うのですが、学生生活の中で成長したいことなどありましたらお聞かせください。
うまく共同作業できるようになりたいです。ジャグリングも執筆活動も1人の営みで楽なのですが、一方であんまり僕はチームで何かをすることが少し苦手なのかなとも思っています。その苦手意識を払拭していきたいです。
-確かに、今後の学生生活ではチームで何かをするという機会も増えそうですよね。
そうですね。共同作業がうまくなりたいということの前段階の話になるのですが、自分の中にある不安として、小説を書いているという特殊な経歴を持っている分、他の人に対してどういう姿勢で接したら良いのか、自分はどう振る舞うのが正しいのかということがわからないということがあります。
自分の中の驕り高ぶりにもどう対応していいかわかりません。これが解決できたら自分の持っている能力というものを、チームの中でもプラスに働きかけることができるような気がしています。
小説を書いていると、様々なことをメタ的に捉えて俯瞰してしまいがちなのですが、ここには自分をも俯瞰してしまって物事へ主観的に入り込めないという欠点もあります。
この癖はチームで何かを一生懸命やり抜くということを阻害してしまう一面もあるので、気にしていかなければならないと感じています。
大学の特徴の一つに、高校とは比べ物にならないほど世界が広いというのがあります。多種多様な人が存在して、彼らと交わる場なので、今まではあまり必要とされなかったコミュニケーションスキルが問われているし、求められています。
それを機会と捉えて、バックグラウンドの違う人とも積極的に関わっていきたいと考えています。
-最後に、もう一度執筆活動の方に触れる質問をさせてください。様々な活動をされている中で、この先も執筆活動を続けていくのに必要なことは何でしょうか。
一つは「戦う心」だと感じています。小説は1人で書くものなので、気楽といえば気楽ですが、自分が書かなければ何も進まない、他に相談できる人も少ない孤独で辛い営みです。
小説家の中にはストーリーを生み出したくて仕方がないという人もいるんですが、僕はそうじゃない物語を作ります。1回1回が自分との戦いだと思っています。1つのテーマを決めて、そのテーマに対して自分がどういう答えを出していくか、人にどう評価されるのか、どういうものが人に面白いと言ってもらえるのか。
そんなことを1人でずっとずっと考えていかなければなりません。そういう意味での戦いです。僕はその戦いから逃げたくはないし、戦い続けていきたいと思っています。
もう一つはインプットですね。色んな人から面白い話を聞いて、その人の人生を垣間見ることで、そこからインスピレーションを得ていきます。
何も知らないことから一つの物語を生み出すことは非常に難しいですが、別の誰かが体験したことを知って、それを膨らましていくことはまだ書きやすいです。0から1を作るより1を10にするという感覚ですね。
-戦い続けることは意義深い一方で、大変な側面もあると感じます。青羽さんが戦い続けられる原動力は何なのでしょうか。
僕の場合は、人生を楽しむこと、そして人生を楽しんでいることだと思います。日常のあらゆるところで見つかる人生の妙味や機微がとにかく面白くて、それを小説という形ですくい取りたい気にさせられます。
自分の人生、他人の人生もすべて人生の面白さと捉えることで、小説を書くという戦いに立ち向かっていけるのかなと考えています。
ただ、執筆活動は多大な労力を伴うので、そこにもう疲れてしまったら、戦いからの卒業も見えてくるのかなと思います。別に戦うことが義務付けられているわけではないですから。とはいえ今の僕は小説を書くことでこの人生の機微をすくい取り続けていきたいとも思っています。
人生を楽しむというのは、執筆活動のみならず、他の活動にも重要な原動力、心構えになっています。このことを忘れないようにこの先も進んでいきたいと思っています。
-本日はお忙しいところ本当にありがとうございました。青羽さんの今後のご活躍にも編集部一同心より楽しみにしております。
星に願いを、そして手を。|集英社の本 公式
中学生の頃、四人の親友を繋げていたのは「宇宙」への果て無き好奇心だった。一度は離れ離れになった彼らは大人になり、大切な人の死をきっかけに再会するが──。16歳の著者が描く、青春群像劇。
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Follow @bicyear京都大学経済学部4年生(大阪出身)。末松ゼミ所属。趣味はジャグリングです。様々な活動の取材を通して、多様な価値観を伝えられたらと思っています。よろしくお願いいたします。
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