社会人インタビュー
焼き芋屋で府庁職員!?地域のハブとして機能し始めた若者の現在地と新たな挑戦と。
Writer|ビックイヤー編集部 |
- 読了目安時間:9分
- 更新日:2019.5.7
素材8割、焼き方2割。
-焼き芋屋さんとして生計を立てられるようになるためには、それなりの修行期間が必要なのでしょうか?
もちろん最低限の知識は必要ですが、スタートに関しては難しいビジネスではないかなと思います。
これは40年やっていた焼き芋屋さんに教えてもらったのですが、焼き芋は素材8割、焼き方2割と言われていて、いかに焼き芋に適したサツマイモを安定的に仕入れられるかで、その焼き芋屋さんの味が決まってしまう程、重要だそうです。
特に個人レベルで商いをする場合、供給元とのパワーバランスもあり、ちょっとしたことでサツマイモの仕入れ価格が高騰したり、ひどいときにはサツマイモが仕入れられなかったりします。
1箱3,000円で仕入れていたサツマイモが、災害などでサツマイモの生産量が減り3,500円になるなんてことはよくあります。
もちろん、仕入れの値上がり分を販売価格に転換出来れば良いのですが、なかなかそれは難しいので・・・。
逆に安定的に焼き芋に適したサツマイモを仕入れられる環境、例えば実家が農家などであれば、難易度はぐっと下がると思います。
-開業資金もそれほどかからないのでしょうか?
中古の軽トラックを準備して、焼き芋を焼くための窯も中古で購入して、軽トラックに取り付けて、プロパンを購入して・・・くらいで始められます。
トータルで、100万円程度で何とかなると思いますよ。
-営業許可の取得などは大変でしょうか?
農産物に簡易的な加工を施すのみなので、他の食材を扱う商いに比べ、焼き芋屋さんは許可関係も簡易な方だと思います。
あと、焼き芋は焼かない状態でしたら保存ができますので、他の品目と比べても管理がしやすいです。ちなみに、焼き芋って実は1週間くらいはもつんですね。
基本的に焼いたお芋はその日のうちに販売するのですが、常連さんの一部では1日置いたしっとり感のある焼き芋の方が好きだという方もいますので、そういったお客さまには残しておいた分を販売することも稀にあります。
なので、今日焼いた芋を必ず売りきらないと廃棄になるというわけでもありません。
-焼きたてと比べ、味が劣化したりしないのでしょうか?
確かに1日、2日置くと焼き芋ならではのホクホク感は弱まるのですが、代わりにねっとり感が増し、甘味が増します。なので、逆に1日、2日置いた焼き芋の方が好みだという方も多いです。その点のやり取りがリピーターさんたちと出来るかは、焼き芋屋の腕の見せ所かもしれませんね。
-サツマイモを安定的に仕入れられるという前提はありますが、開業資金も少なく、食材を扱うビジネスにしては在庫リスクも低いことは理解できました。ただ、ビジネス経験の少ない素人が実際にお客さんを捕まえられるモノなのでしょうか?
移動する竹村商店はなんせ移動販売ですので商圏が広く、こちらから出向いて行けば良いので、店舗型に比べ難易度は低いかなと思います。
もちろん営業経験などのビジネス経験や土地勘などがあれば、それに越したことはないですが、長く続ければ、自然と常連のお客さんも出来てきますし。
-失敗することが難しいくらいのビジネスに思えてきました(笑)
でしょ(笑)
ただ、もちろんマイナス面もあって・・・
1つは労働集約型のビジネスになりますので、スケールさせることが難しく、早い段階で売上の上限が見えると思います。なので小商いとしては最適ですが、大きく儲けたい人には向いていないかもしれません。
もう1つは焼き芋のシーズンは秋・冬の約半年間しかなく、残りの半年間は何か別のことで収入を得る必要があります。私は、かき氷を販売したりしていますが、そのような別の商いを持つ必要があります。
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