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好きだからこそ命を奪う。“京大院生×ハンター”古賀達也に、狩猟と森林の現実について伺う。

Writer|川野 紗季
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2019.6.26

プロジビエハンター制度を含む、3つの制度で変革を。

-今後、狩猟はどのような体制に変革されていくのが理想的なのでしょうか。

猟友会って本来は趣味の団体なんですけど、今は政府が猟友会にお金を出してシカを狩ってもらうという体制になっています。しかし、これでは狩猟の目的が混在してシカ肉が最大限に利用できなくなってしまいます。

僕のビジョンとしては、シカを狩猟する人を3つのカテゴリーにしっかりと分類するというものがあります。す。

1つ目は、猟友会といった趣味として狩猟をする人。地方の人たちの生きがいとしての狩猟ですね。この狩猟では、狩猟した人がシカ肉を処理して食べます。

2つ目は、「プロジビエハンター制度」です。猟友会の狩猟は、涼しい、かつ、落葉して視界が開け狩猟しやすい11月頃から3月頃まで行われますが、夏も森の植物が大量にシカに食い荒らされる時期なので、プロのジビエハンターは夏にも行うというものです。その許可を行政から頂こうと。狩猟で獲れたシカ肉は、ジビエ産業で利用します。

3つ目は、有害鳥獣管理としてのハンターです。このハンターは狩猟が大変な地域、例えばヘリコプターで行ったりする高山地帯などで狩猟する人です。有害鳥獣管理として狩猟された場合は、捕獲数が重視されるので、シカ肉の利用としての側面は考慮しません。

-少子化や年金問題といった日本の社会問題は認識していましたが、自分の知らない「森林」という部分にも大きな社会問題があるということを思い知りました。

そうですね。ドーナツ化現象で農村に人がいなくなったことで鹿の生息域が拡大していって 、農業にも林業にも被害がどんどん大きくなる。でも、だからといって狩猟する個体数を単純に増やしただけでは、需要体制が整っていない今、鹿の命がおろそかになっていしまいます。

自分の手でシカを狩猟している身としては殺した命は可能な限り100%に近い割合 で活かしたいですし、それに、“ただかける罠を増やす” といっただけではこの問題は解決できないと思うんです。

-環境問題も社会問題も内包された複雑な問題なんですね。私たちが実際に狩猟に踏み出すことは難しいかもしれませんが、私たちに何かできることはありますか。

ジビエ料理ぜひ食べてみてください!!血抜きなどの処理をしっかりしたシカ肉は本当に美味しいんですよ。京大付近にもジビエを出す店はあって、そこでイベントをしたりしますし、実際に食してもらって、ジビエに対する臭いとか癖が強いといった悪いイメージを払拭してもらえたら嬉しいです。

そういった消費を通じて、シカの数をコントロールして森を守っていくことに繋がるので。

-本日はお忙しいところ貴重なお話をありがとうございました。

 

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京都大学法学部3年生。笑いジワがチャームポイントです。カピバラさんが大好きです。カピバラさんのように自由気ままに過ごしていますが、いい記事を書けるように頑張ります。宜しくお願いします。

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