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居住空間をマシンに明け渡す“本物”の京大生バリスタ白川志、狂気の珈琲特論。
Writer|掛川 悠矢 |
- 読了目安時間:7分
- 更新日:2019.7.25
白川志、京都大学文学部3回生。1回生で京都大学珈琲同好会を結成。京大の11月祭では珈琲を、ネットショップでは「京都珈琲学部」として生豆の仕入れ~焙煎まで行った珈琲豆を販売。業務用エスプレッソマシンを下宿に持つ「コーヒーオタク」である彼の、珈琲にかける想いとは。
現役京大生バリスタのこれまで。
-本日はお忙しい中、ありがとうございます。白川さんは下宿に業務用のエスプレッソマシンをお持ちだとお聞きしましたが、コーヒーにのめり込んだきっかけというのはどのようなものだったんですか?
コーヒーに出会ったのは中学の頃ですね。ある時母親が家庭用の機材を買ってきて、一緒に豆から挽いて飲んでいたんですが、そのうち家庭用の機材では満足できなくなったので、業務用のマシンが欲しくなりました。
父親に「10数万円のマシンが欲しいんだけど、200ボルトの電圧が必要だから工事もしてほしいんだけど」って言ったら「いいよ〜」って。
-寛容すぎませんか?
そうですね(笑)大学に入ってからはアルバイトと仕送りの一部を使って別のマシンも買って、今はエスプレッソマシンだけで下宿に3台持っています。一台はメンテナンス中なんですけど、あとはケータリングに持っていく用の軽いものと最初に買ったものと。
-大学に入ってからいっそう熱をあげられたんですね。京大珈琲同好会の設立が2018年の2月とのことですが、その際には既にケータリングを行うことは考えられていたのですか?
最初は「ゆるふわ」でいこうと思っていました。大学生で、コーヒーに興味があっても何から始めたらいいか分からない人は多いんです。コーヒーショップとかのアルバイトでも、本格的に働かせてもらえないので、ちゃんと勉強ができないんですね。
それで、その入りの部分を提供できたらいいなと思って立ち上げをしました。最近では話がどんどん大きくなっていって、僕の手の届くギリギリくらいの大きい話も舞い込むようになってびっくりしています。
-確かに、最初の一歩のハードルが高いというのは理解できる気がします。白川さん自身はどのようにしてコーヒーの知識を身につけられたんですか?
今は、ラテアートの世界チャンピオンの澤田さんという方がプロデュースされたお店で勉強させてもらっています。コーヒーって嗜好品なので、色々な意見があって何が正解なのかが難しいんです。
なので誰かの下で働いたりして勉強しないと知識をつけられないなと感じます。影響を受けすぎて視野が狭くなってしまってはいけませんが。
-そうなんですね。自分で機材を揃えるのもハードルが高いですよね。お金もかかって大変そうです。白川さんは過去に器具を自作していらっしゃいましたよね?
そうなんです。エスプレッソの抽出をした後の高温になった粉を捨てられる、耐熱性で丈夫な器があって、すごく便利だけど買うと業務用のもので3万円くらいするんです。それが安く作れるということで、塩化ビニルのパイプを買ってきてカットして作りました。
-かなりハイレベルな制作をされているように思いますが、何でも自分で作ってしまおう、という精神は以前からあったものなのですか?
そうですね。親戚のおじさんで宮大工の方がいらっしゃるんですが、その人の工場によく遊びに行っていたんです。危ないので近寄らせてはくれないんですけど、そこで何でも作ろうと思えば作れるんだな、と思うようになりました。
それに父親も日曜大工で小屋を立てたりする人で、自分で作れば安上がりだぞ!みたいなことを聞いて育ってきたんです(笑)それにすごく影響を受けています。
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