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「京都工繊大×JR」、駅をアップデートするベンチを手掛けた大学生の想い。

Writer|前田 彩友子
  • 読了目安時間:5分
  • 更新日:2019.10.29

みんなが作ったものが、みんなの使うところに残る社会に。

-話をTech Programに戻しますが、「どっこいしょベンチ」を作るなかで失敗したことはありますか。

このプログラムの目的の一つに学科横断型というものがあって、課題に取り組むチームにはデザイン建築学課程である僕の他に、情報工学課程など他の課程の子もいて、協力して行うのですが、専攻的にどうしても参加しにくい子がでてきてしまうんです。

調査、企画の段階ではみんなにどれだけ関わってもらうかという感じでやっていたんですが、製作の段階では知識、技術的に他の課程の子が参加するのは困難でした。結局製作は僕の知り合いの木工専攻の先輩にお手伝いをお願いして一緒に作ってもらいました。

将来どんなデザイン系の仕事をしても、最後まで自分一人で完成させることはできないので、企画の人や実際に製作にあたる人とうまく関わり合いながらゴールにもっていくという難しさを痛感しました。

「みんなに積極的に関わってもらう」ということが今回の失敗というか学びですかね。

あとは技術的な面で僕は専攻が木工ではなくデザインの方なので、そこが専門ではないと言ってしまえば終わりなんですけど、実際にベンチを作るのは厳しかったです。また、お披露目式が決められ、いろいろな人のスケジュールもおさえられていたため、締め切りに追われ、品質を突き詰められなかったです。

あと、製作場所が大学のデザインラボであって福知山駅ではないので、作って実際に設置してみたら、床が傾いていたり、柱の長さが完璧な長さではなかったりして、ズレが重なり、そのズレを調節するのが大変でした。

-JR福知山駅の課題に対して他に何か代替案はありましたか?

いや、ベンチはベンチでした。福知山駅の予算や一ヶ月という製作期間、すでに出来上がっている公共の場に手を加えるので、点字ブロックなどいじれないところも出てくるためなかなかベンチ以外は難しかったです。

-なるほど、もしそれらの制限がなかったら何をしたいですか?

福知山駅のコンコース全面リニューアルをしたいですね。ベンチはもちろん。そこで月1回くらいでイベントを開き、そこでみんなが何かを作り、それが残っていくような作りにしたいです。みんなが作ったものが、みんなの使うところに残るってすごく面白いじゃないですか。

この「どっこいしょベンチ」も自分が作ったものが社会に存在しているのがとてもいいですね。

-本日はお忙しいところ、貴重なお話をありがとうございました。田路さんの今後のご活躍を期待しております。

 

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