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夢を追い求めるオーケストラ。「本当に人を楽しませる」とは。
Writer|細辻 あおい |
- 読了目安時間:8分
- 更新日:2018.11.7
スピード感のある世界を生き抜くため、大切にしたい事は「経営者的視点」。
-社会人になっても、と言うお話が出たところで米本さん自身の話もお聞きしたいと思います。三回生だとそろそろ就活を考える時期ですが、米本さん自身はどういったキャリアを思い描いていますか?
キャリアですか。かなり考えてはいますが、考えたところで、とも思っています。だってかつてないスピードで技術革新が起きて産業は変化しているじゃないですか。
例えばLINEが登場したのって7,8年前とかですよね。それが今や誰もが使っているツールになっている。じゃあ5年後どうなっているか想像もつかない。だから今できる、今必要と思う、今やりたいことを全力でやるのがキャリア形成に一番いいと思っています。
ただ、必ず身に付けたい、と思っているのは「経営者的視点」です。
-「経営者的視点」、ですか?つまり将来は経営者に?
経営者になるかどうかはわかりません。トラオムの場合はリーダーをやっているけど、正直それが好きなわけではないんです。できればリーダーじゃない方が楽かな、と思うこともあります。責任を負わないといけないからしんどいですし。
トラオムは本当にやりたくてやっているから責任も負えますけど、本当にやりたいことではないことに関してリーダーをやっても、リーダーとしてそんなに成果を上げることができるほどの力を発揮できない、持っていても発揮しないと思います。
でもこの短期間で変化する時代の中で必要となるのは「経営者的視点」。それは、何がこの先必要となるのか、何を人々は求めてるのかを常に察知し続け、それを実現しようとトップに立って動ける、その力は持っておかないとスピード感のある時代についていけないかなあと。
僕はトラオムを守りたいんですが、これは趣味です。じゃあこれをトップでやれるような人間であり続けるためには自分が仕事の方で余裕を持って生き抜いていける力をつけておかないといけないなと思って。そのために「経営者的視点」は身に付けたいと思っています。
-では経営者に実際になるかは関係なく、スピード感のある世界を生き抜くために「経営者的視点」を持つべきだと考えているということですね。
そうですね。でも逆に経営者的視点を持てないけど、経営者的視点を持つ人が抱える弱みとかをカバーできる人も必要で。だからそういう人に対して否定もしないし側にいてほしいと思います。
自分の得意な分野で頑張っている人を生かすのもやはり経営者的視点なので、自分がそれを持つことで守りたい人を守れる、守りたいオーケストラを守れるという存在になりたいです。
-就活に関しても、どうなりたいかという「本質」から物事を考えるという点でトラオムの結成と同じように考えていらっしゃるんですね。目からウロコのような気持ちです。では最後に、トラオムの話でも出てきた「本当に人を楽しませる」とは、どういうことだとお考えですか?
難しい質問ですね(笑)音楽に関してだと、僕の表現したいものは心の奥底にあるんです。それが指揮棒に現れる、そしてそれがオーケストラに伝わることで、ただの音ではなく音に心が乗る。そしてその心がお客さんに伝わった時にその人は本当に楽しめるんだと思います。耳の膜が震えるのではなく心が震えるのが楽しむことの本質だと思います。
そしてそれは多分仕事も一緒ではないかと。本当に困っている人やサービスを必要としている人にこうなってほしいとか、そういうことを考えて仕事の仲間とまず共有して、その仲間と作ったものがサービスとなる。
そういったプロセスを辿り、心のこもったサービスがお客さんに伝わって「あ、解決した!」というように心が動きます。「楽しませる」って「心を動かす」ことだと思うので。音楽も仕事も。だから、「これは本当に面白い」「これは本当に役に立つものだ」ということを大事にしたいなと思っています。
-とっても勉強になります!本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。今後の活躍も期待しております!
※米本さんが立ち上げたトラオム祝祭管弦楽団に興味を持たれた方はこちら
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Follow @bicyear京都大学文学部4回生。現在ミュンヘン大学に留学中。好きなものは芸術と宝塚。競技かるたサークルと三大学合同交響楽団に所属。文化人を目指して生きていきたい。
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