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0コンマ数秒の究極の世界「競技かるた」。その躍進に尽力する京大生の想い。

Writer|土井 祐弥
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2019.1.25

競技かるたを、いつかメジャーな競技へ。

-競技者が増えていくことで、色んな変化があると思います。その過渡期にあるように思うのですが、関西地区大学かるた連盟の会長として、これからの課題や思うことなどはありますか?

大学のサークルって、活動の強制力という点で高校の部活と比較して低いんですよね。だから入りやすいんですが、裾野を増やすという意味では強制力のある高校の部活の方が影響力があると思っています。

実際、大会などを見てみると、大学選手権だと参加者1,100人なのに対して、高校選手権は2,000人弱の参加者がいたんですね。会場も11会場を使って、かなり大規模な大会となっています。

なので競技の発展を考えると、そこから大学へあがってくる人たちをどのように受け入れるかという部分が大事になっていきますね。

それを見越して、現在4会場で行っている大学選手権なんですが、そこに3つ会場を増やすことを予定しています。

でもそうなると、当然、お金や人員といったリソースが必要になりますから、そこには今かなり悩まされています。

-その部分ってかなり大事だと思います。どういう対応策を検討されているんですか?

お金の面から言うと、今1番現実的な案としては大会における個人戦参加費用を上げるということですね。今1,500円なんですが、それを1,800円にすると、単純に30万円くらい捻出出来るので、それで会場増設費用に対応出来るかなと。

ただ、その費用を上げ続けることで対応すると、これから更に競技者が増えた時、参加者が増えれば増えるほど参加費が上昇するという理論になります。そのうちに公認大会よりも高い参加費になってしまうんですよね。それはちょっと避けたくて。

それを回避するためにも、今はスポンサーになってくれる企業さんを探しています。例えば、パンフレットを配るんですけど、そこに広告を掲載するとか。でも、スポンサーを募ったこともなければ、企画書を作ったこともないので、手探りでちょっとずつ試行錯誤をしている段階ではあります。

-AbemaTVとかで将棋とか麻雀の放送してるじゃないですか。ああいうので放送してもらうとか面白くないですか?

現状、高校選手権についてはニコニコ動画(ドワンゴ)で放映してますね。ただ、大学選手権は公認大会ではないんですよ。だからそこの兼ね合いが難しいかもしれないですね。

-大学選手権だけちょっと異質なんですか?

そもそもの発端が、まだ大学生の競技者がほとんどいない時に、大学生同士集まってやりたいねってことで、早稲田などの大学が集まり合宿形式でというものだそうです。

なので、去年で25回大会だったんですが、未だ大学選手権は公認大会ではないということになっているんですね。参加者は増えていくけど、ここでの勝敗も段位の変更にも影響がないので、異質と言えばそうです。

でも、参加者が増えていくということは、それなりに対応するスタッフを増やすとか、色んな方法を変えて行く必要があることは事実です。

-例えばスタッフなどの人員については?

これまで大会運営スタッフの募集は会長が一人ひとりに声掛けをしていたんですよ。OBの人とかに。それで毎年毎年やっていくのって、出来る人脈がある会長だったらいいんですけど、かなり属人的になってしまっていて、負担がかかりすぎると思うんです。さらにこれからスタッフ数が増えるということを考えると、いよいよこの方法では難しいかなと。

なので、まだ具体的にどうやるかということは決まっていないんですが、私の代でシステマチックにやるという方法に切り替えたいと思っていますね。

-最後の質問なのですが、10年後の競技かるたはどうなっていると思いますか?

今、影響を受けやすい年頃とも言える中学生だった私世代がちょうど大学選手権を戦っています。ちはやふるの影響が10年後にもあるのかと言うと、なかなか予想は付きづらいですね。

ただ、10年後こうあってほしいという願望はあります。「知る人ぞ知る」といった競技ではなく、もっとメジャーで、色んな大学が参加して研鑽し合う、そんな時代になっていてほしいです。それはこれからの私達の動き方で変わっていくと考えています。

-本日はお忙しいところ本当にありがとうございました。今後の競技かるたの躍進を楽しみにしております。

 

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