社会人インタビュー
食の都、大阪で奮闘する味づくりの専門家が目指す、家庭の味の再興とは。
Writer|ビックイヤー編集部 |
- 読了目安時間:8分
- 更新日:2019.2.19
日本の家庭料理の文化を後世に。
-3年ほど前に新たに一般社団法人味付けアドバイザー協会を立ち上げられたとお聞きしました。
はい。協会では醤油、みそ、酢などの日本に昔からある発酵調味料で自家製調味料を作り、日本の伝統的な味付けの仕方、味付けの法則を学んで頂ける料理教室を開催しています。
-自家製の調味料ですか。
ご存知の方も多いと思いますが、市販の調味料の多くは私たちがスーパーマーケットなどで手に入れることが出来ないモノも原材料として含まれています。
これはコストを抑える目的であったり、見た目を良くするために含まれていることが多く、本来そのようなモノを入れなくても、身近にある食材だけで調味料は作ることが出来ます。
それを皆さんに知ってほしくて、この活動を新たに始めました。
-調味料が身近な食材で自作できるとは、私も知りませんでした。
先日も自家製の焼き肉のタレを作る料理教室を開催したのですが、出来上がったタレと市販品を食べ比べて頂くと、生徒の皆さん「自然な味がする」と驚かれていました。
-自家製調味料を広めたいとのことですが、やはり市販品より身体に良いなどの理由からでしょうか。
余計なモノが入っていないので、より身体に優しく、良いと思います。ただ、それだけが理由ではありません。
調味料は料理の味を決める大事な要素ですが、それを市販品だけに頼ってしまうと各家庭の味が失われてしまい、結果として日本の家庭料理の文化が途絶えてしまいます。
-確かに市販品だけに頼ると、各家庭での味の違いが無くなっていきますね。
昔は各家庭で醤油や味噌など調味料で味付けし、それぞれの家のお袋の味があることが普通でした。
しかし、現在は共働き世帯や一人暮らし世帯も多く、忙しい毎日を過ごしているため、どうしても簡単に味付けできる市販品に頼ってしまいます。
これは現代の暮らしを考えると、ある意味、仕方がないことだと思いますが、それでもそれを少しでも変えていければと・・・
例えば、これまですべて市販品で味付けしていたご家庭が、焼き肉のタレだけは自家製に、白だしだけは自家製にと、可能な範囲で家庭の味を取り戻すお手伝いをできればと思っています。
また、私一人では拡散力に限りがありますので、私のようなアドバイザーとして活動して下さる方を育てていきたいという想いもあり、単なる料理教室として活動するのではなく、協会を組織させて頂きました。
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