社会人インタビュー
振り売りで伝える野菜の価値。生産者と消費者をつなぐ若手事業家の歩み。
Writer|ビックイヤー編集部 |
- 読了目安時間:11分
- 更新日:2019.3.18
振り売りは現代でも通用する合理的な流通システム。
(右は角谷さんの提携先農家である森田良農園代表 森田良彦さん)
-野菜の振り売りを始められて、どの程度でしょうか。
どこからがスタートか曖昧なのですが、4年目くらいだと思います。(取材は2019年2月に実施)
-率直に言って、野菜の振り売りは儲かるのでしょうか。
一昔前であれば、半日で10万円とか売り上げる農家さんもおられたようです。
-それは凄いですね!
今はさすがにそこまで稼ぐ人は少ないかもしれませんが、割と京都には振り売りの文化が根付いていて。
振り売りは毎週、同じお宅にお伺いするので、どの程度の量を用意すれば良いか事前に予測ができますし、お客さんも冷蔵庫を空けて待っていてくださるので、ロスが少なく、お客さんとの関係性を構築出来ていれば、安定するビジネスだと思います。
また飲食店舗さんに納品させていただくことで、観光の方々にも京都のお野菜を召し上がっていただくことができます。
さらに今はSNSも普及していますので、野菜が余ってしまいそうな時は、毎週は買わないけど、たまに購入して頂ける方などへのお声がけも簡単にできます。
-食料破棄、食品ロスなどの課題に対するソリューションの1つになりそうですね。
振り売りの文化が色濃く残っている地域は京都の中でも上賀茂や山科などですが、どちらも生産地である畑と消費地である都市が近く、需給のバランスをリアルタイムに調整しやすい地域と言えます。
なので、同じような地域性のあるエリアであれば、振り売りは非常に合理的な流通になりえると思います。
また何より、販売に回った先でいただいた「お客様の声」を農家さんに直接お伝えすることができるので、それが農家さんのモチベーションとなったり、問題点を一緒に考えることもできます。
京都のお野菜がおいしいのは、昔から食べる人と作る人が振り売りを通して交流し、お野菜の品質を一緒になって磨いていったからだと思っています。
-今後、振り売りを始められる方が増えるかもしれませんね。そろそろお時間になりましたので、最後に1つお伺いしたいのですが、Gg’sの今後の展望を教えていただけないでしょうか。
事業規模を大きくすることが目的とは思っていないです。
それよりも、もっと丁寧に農家さんと向き合い、お客さんと向き合って野菜を届けていけたらと考えています。
野菜の価格って、もちろん種類やブランドによって変わりますが、100円、200円が通用する世界だったりします。
でも、本来はもっと野菜自体が価値の高いモノなのではないかと思っていて、それぞれの野菜や情報を適所に丁寧に届けることが出来たら、その野菜の持つ価値を正当に評価して頂けるのではないかと考えています。
野菜の価値を高めることが、Gg’sとしての一つの目標です。
そのためには、私ももっと野菜のことを知って、農家さんを理解し、お客さんの要望を詳細に把握できるようにならなければと思っています。
また本来、野菜は旬のある不自由なモノで、だからこそ魅力的なはずですが、便利になり過ぎて、その魅力を感じることが難しくなってきていると思います。
なので、少なくとも私が届ける野菜からは季節感を感じられる、今一番おいしい旬の野菜を農家さんの顔が見えるカタチで届けていきたいと思います。
-長時間にわたり、お時間を頂き、誠にありがとうございました。Gg’sのさらなるご活躍を期待しています。
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