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目標は『アベンジャーズ』レベル。特撮王国日本の再興を願う学部生に迫る。

Writer|掛川 悠矢
  • 読了目安時間:7分
  • 更新日:2019.5.20

特撮が撮れる場所を作りたい!制作への思い。

-ここまでのお話だけでも山田さんの特撮への並々ならない思い入れを感じます。山田さんの特撮愛のルーツはどこにあるのですか?

実は僕、全然「特撮」というものに興味がなかったんです。子供の頃は『仮面ライダー龍騎』などを観ていましたけど他の多くの子供のように「卒業」していました。

でも高校の時に友達が特撮の自主制作を撮るというんで、たまたま仮面ライダー役として参加させてもらったんです。数日間でキャラとかアクションのパターンを覚えて、2週間くらいで撮影しました。

ただ、短期間で作ったからすごく完成度が低くて、もうめちゃくちゃ悔しかったんですね。それで大学に入ってから自由な時間ができたからもう一回自主制作をやってみよう、と思ったのがはじまりです。

-二度目の特撮との出会いは偶然だったんですね。一度仮面ライダーを「卒業」されていたというのは意外でした。

そもそもが、僕の興味はニチアサ特撮に限ったものではなくて、映像とか映画全般に興味があるんです。『エイリアン』みたいなグロ系・ホラー系の作品とか、狂気を感じられるものなんかも好きですね。

-グロテスクものですか。

例えば『エイリアン』シリーズでの、エイリアンが人間に寄生しておぞましい姿になって人体から出てくる描写、みたいな(笑)グロい題材っていわば劇薬みたいなものだと思うんですね。

そういう劇薬を用いながらテーマが一貫しているものが好きです。ただ劇薬を使うだけだったらB級になっちゃうんで。そこのさじ加減が難しいんですね。

-ご自身の興味が創作にくっきりと反映されているんですね。

そうなんです。そういう特撮やSF、あとはスパイアクションなどの撮影は、CGや大掛かりなセットが必要で、大学の映画サークルでは忌避されていたりするんです。だから撮りたいものを撮れなくて悔しい思いをしている人がいるんじゃないかと思っていて、そういう人が制作をやれる場所を作れたらなと考えてます。

といってもクレーンで空を飛んだり、みたいな大規模なものは考えていませんが…

-では、サークル活動の範囲内で具体的にどれくらいのレベルまでを考えていらしゃるのでしょうか?

技術の粗さに目が向かないようにというのは考えています。僕自身、去年からCGを勉強し始めて、そろそろ仮面ライダーの変身エフェクトを再現できるレベルに達そうとしているのですが…とはいえ、どのレベルまで行きたいかといえば、どこまででも面白くクオリティ高いものを作っていきたいです。

それこそ『アベンジャーズ』のレベルを目指していないと、「日本のライトな特撮作品」の枠から出られなくなってしまうと思います。

-目標は常に高く、ということですね。クリエイターとしての山田さんの熱い内面が伝わってきます。


>> 次頁「「できることではなく、やりたいことを」京都特撮企画の今後。」

 

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